「最強トレーニング」 Vol.4
〇原稿を読んでみよう
それでは、次の文章を読んでみて、それを録音しましょう。そして、聞いてみましょう。
<『読むのでなく伝えるための声』
「うまく伝えることをめざすのであれば、教科書を棒読みするようにではなく、人に伝わるように声で表現できなくてはなりません。
大切なことは伝えることであり、読むことではありません。
文字を棒読みしているだけでは、伝わりません。
かといって効果を計算したり、感情を移入するとわざとらしくなるのが関の山です。
基本の力がないと、何十回読んでも、プロのようには聞こえないのです。」>
いかがでしたか。心地よく聞いていられなかったとしたら、何が悪かったのでしょうか。
自分で、思いつくかぎり書き出してみましょう。
次に三回、繰り返し練習して、四回目に録音してチェックしましょう。だいぶ、よくなるでしょう。
今度は、次の基準でチェックしてみましょう。
□声は、プロのように聞こえ、魅力的で個性的な声か
□発音、言葉、アクセント、イントネーションが正しいか
□つっかかったり、いい間違えたり、流れが滞ったりしていないか
□わかりやすくインパクトがあり、感情のこもった表現か
□音声でもれなく内容が伝わっているか
□無駄やミスもなく、最高の表現を出せたか
□聞いたあとの感じがよいか、安定していたか
〇聞く人の聞き方を変えること
話す人 A 内容 B 伝え方
聞く人 C 理解度(質、知識) D 聞き方(熱意)
話がよいといわれるためには、このA〜Dの合計点が高いことが必要です。
ところが、多くの人はA(内容)しか考えていません。
よく見てください。このうち半分は、聞く人の理解度や聞き方の問題です。
内容がいかによくても、それをうまくやらなくては、半分失敗です。聞く人を聞く気にさせるのは、話す人の伝え方によります。
C(理解度)、D(聞き方)は、B(伝え方)によってコントロールされます。
4つのうち、3つは話す人の伝え方にかかってくるのです。
聞く人の理解度のなさは、わかりやすくし、熱意のなさは、興味を起こさせることで、はじめて話の内容が伝わるのです。
だから、内容がなくとも伝えるすべがあったら、聞く人をある程度、満足させられるとさえいえるのです。
つまり、声をよくするのも大切ですが、声などを使って聞く人の聞き方を変えることは、もっと大切なのです。
話す人 A 内容 B 伝え方
聞く人 C 理解度(質、知識) D 聞き方(熱意)
合計 点
〇声のマナーのチェック
下手な話というのは、内容よりも伝え方、それも基本的なことを踏まえないために、そのように思わせてしまうのです。特に話す姿勢は、そのまま、すぐに声に影響してきます。
たとえば、次のようなことをしていないか、チェックしてみましょう。
□聞く人を見ていない
□下ばかりをみて話す
□原稿から目をあげない
□声が小さい
□発音がよくない
□聞き取りにくい言葉が多い
□話に切れ目がない
□読んでいるように聞こえる
□だらだらしている
□独り言のようだ
□何がいいたいのかわからない
□何度もいい間違える
〇話と声のチェックポイント
話と声について、次のチェックをしましょう。
最初に他の人のをチェックして、次に自分についてチェックするとやりやすいでしょう。
(話のよい例)
□好感度・マナー
□態度がよい
□姿勢がよい
□熱意がある
□テンションが高い
□自信がある
□ていねいである
□一所懸命さが伝わる
□誠実そうだ
□慣れている
(話の悪い例)
□だらしない
□自信がなさそう
□テンションが低い
□見下している
□平坦、一本調子
□早口
□テンポが遅すぎる
□語尾の切れが悪い
□発音が不明瞭
□不慣れで落ち着きがない
(声のよい例)
□声が大きい(適切だ) (声の大小)
□声のメリハリがある (声の強弱)
□声のスピード(テンポ)がよい
□声の高さ(ピッチ)がよい (声の高低)
□声の感じがよい (声の音色)
□歯切れがよい (アーティキュレーション)
□発音がよい (アクセント)
□間がよい (呼吸、表現)
〇よい声とはどういう声でしょうか
声の使い方は、身近にいる人から学ぶのが一番、早いものです。話と同じく、その人のよいところから、学んでいくのです。
次のは、声のよしあしを知るためのチェックリストです。
□大きい
□ひびく
□安らぐ
□落ち着ける
□ゆったりしている
□安定感がある
□心地よい
□リズムがある
□楽しい
□明るい
□元気が与えられる
□聞きやすい
□ことばがはっきりと聞こえる
□滑舌がよい
□つっかえない
□迫力がある
□色気がある
□精神性が感じられる
〇悪い声とはどういう声でしょうか
□小さい
□かすれている
□安らがない
□落ち着かない
□せわしない
□不安定
□不快
□リズムが悪い
□ハリがない
□元気がない
□暗い
□聞きにくい
□ことばがもごもごしている
□滑舌が悪い
□よくつっかえる
□弱々しい
□事務的に聞こえる
□こもっている
あなた自身が、どのような声や話し方、態度に引きつけられ、どのようなものに反発し、おかしいと感じるか、それがそのまま、自分の声を使うときの留意点になります。
よいところのすべてをまねる必要はありません。自分ができるところから習得していきましょう。
なかには、自分と相反する要素もあります。その人にはよくても、自分には合わない声の使い方もあります。それらをうまくとり入れるには、自分のキャラクター、能力、勝負どころを知り、自分の個性をよりよく活かそうとしていくことです。
〇声がよいということ
声がよいとは、より大きく強く高く(低く)出せるだけでなく、声がしっかりと統一されており、かすれたり割れたりしないということです。しかも、長時間、声を出しても異常をきたさず、体調の悪いときも(風邪などをひいていても)、表現を保つのに充分な声が確保されていることです。
人前で声を使うときには、声の調子を万全に整えておかなくてはいけません。そういった、声の管理もヴォイストレーニングで扱うべきことなのです。
自分の伝えたいものが思うままに伝わることを助けてくれる声、そのためには、鋭くも柔らかく、練れた声でなくてはならないのです。
声がよいと感じると、聞く人も、おのずと熱心に聞く態度になるものです。
〇声べたの人を反面教師にする
声のよい人を見て感心をしたら、あるいは、不幸にして、まわりにまったくいないのなら、声のよくない人をじっくりと観察するとよいでしょう。あなたのまわりにもたくさんいるでしょう。
そこであなたの気づくことのなかには、あなた自身が話すときに相手が思うことと重なることもあるはずです。
次のような点について考えていきましょう。
1.何がよくないのか(不快なのか)
2.(その人は)どう直せばよいのか
3.自分についてはどうか
4.自分はどう直せばよいのか
それから、もう一度、声のよい人をみて、考えてください。
1.その人はどのようにしているか(その人なら、どのようにするか)
2.それはどうしてなのか
3.自分はそれができるか
4.自分にとってもっともよい直し方はどうなのか
この繰り返しだけでも、声の欠点は、かなり改良されるはずです。
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