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「最強トレーニング」 Vol.5

〇声のイメージトレーニング

 

 本番の舞台でありのままの実力を発揮するためには、イメージトレーニングが有効です。

これは、スポーツや芸術の分野では早くからとり入れられています。メンタルトレーニングと並び、自分のもつ能力を発揮するのに大きな役割を果たしているのです。

 つまり、一言でいうと、プレーヤーがそのプレーを予め、同じ時間内に寸分違わずイメージできたら、すでに身体はその通りに動き、成功するということです。話もパフォーマンスと声で成り立っているものですから、この要素を多分にもっています。

 

まず、人前に立っている自分を具体的にイメージしてみましょう。

1.いつ

2.どこで

3.誰の前で

4.何を話そうとするのか

 

あなたの前には、あなたの話を聞きにきた人がいます。そのイメージをもって話をしてみるのです。できたら、声を出して行なうとよいでしょう。これを録音(できたら録画)しておきましょう。

誰かに語りかけるつもりでするとよいでしょう。録音を再生してチェックしましょう。

 

〇演じるということ

 

スピーチ・講演も、研修・会議の発表も、自分を主役にした舞台と考えてみましょう。

人前で話すことは、役者が演じることに似ています。

台本を自分で書き、それを自作自演で、人前でみせるわけです。その演出監督までするのです。

どうしたらよくなるのかがわからなければ、ドラマ、芝居、映画に学びましょう。

聞く人は声にも注目しています。声は、トータルの演出力に負うものです。

次の面からのチェックもしてみましょう。

 

・相手との距離と声の大きさを意識する

1.50cm 小さく

2.1m ふつうに

3.2m 少し大きく

4.3m もっと大きく

5.10m 大きく

 (マイクを使用するときは、マイクを使ってチェックします)

 

・相手の数や場の形式をふまえる

1.対話 11       電話、応対、交渉のとき

2.ミーティング 12~多 会議、討議のとき

3.スピーチ 1:多     集会、パーティのとき

 

〇あがりや過度の緊張が伝わらない声にする

 

なぜ人前で話すとあがるのでしょうか。

それは、第一には覚悟がないからです。

話で失敗しても、命はとられません。人前に出たら「煮るなり焼くなり好きにしてくれ」と開き直ることも大切です。人の注目を集められるこの時を楽しみましょう。あがることも含めて、自分の身体や心臓、脈をいとおしみましょう。

 ときに、自意識過剰になってあがることもあります。

しかし、他の人はあなたが思うほど、あなたのことを気にしていないし、期待もしていません。

さらに、失敗するかもなどと心配することからあがることもあります。仮に失敗しても、他の人は大して気にしません。そういう失敗は、多くの人にも覚えがあるからです。人は、失敗に対して優しいものです。多くの人は、聞いてもすぐに忘れてしまうものです。へたにとりつくろったりすると、あまり見苦しいことはやめて欲しいと思われるだけです。

印象に残らぬスピーチよりは、失敗しても印象に残るほうがよいとさえいえます。

 

〇話すときは、開き直ろう

 

人前に立って、自信のないものをやろうとすると、誰でもあがるものです。この二つが共にそろっているのが、スピーチや人前での話なのですから、あがらないほうがおかしいと思えばよいのです。

 プロの歌い手はもちろん、世界的に名高いオペラ歌手や演奏家のなかにも、毎回、舞台であがるという人はたくさんいます。彼らは、あがりながらも実力を発揮できています。それは、ケタ違いの練習量のおかげと、そのことで仕事をしているという覚悟があるからです。その自信が、それをほどよい緊張としてプラスに変えてしまうほどの力をもっているのです。

 スピーチも、この緊迫感がなければ、終わっても本人も聞く人も今一つスッキリとしないのではないでしょうか。

 あがって力が出なくなるのは、あがったせいではなく、あがることを恐れ、あがったら何もできなくなると思い込んでいるからです。間違えたり恥をかくことを恐れる気持ち、よいところを見せようと気負う気持ちが、誠実に伝えようとする気持ちを邪魔しているのです。

 伝えることを楽しもうと徹したとき、あがっていようがあがらなかろうが、うまく話せるようになるものなのです。

 

〇あがり防止法

 

 それでも、少しでも落ち着いて、うまく話したい人のために、あがり防止対策をいくつかご紹介しておきましょう。いろいろ試してみてください。声が震えなければ、そうはわからないものです。

 

□練習を積み、自信をもって話せるようにすること。

□会場をあらかじめ見ておき、できたら立ってみること。

□他の人が話すときもいっしょに話しているつもりでリハーサル(疑似体験)をやっておくこと。

□お客さんの一人に聞かせるつもりで、マイクのなかに向かって、あるいは自分にいい聞かせるように(「お客の顔をカボチャだと思え」といわれる)。

□手のひらに人と書いて三度、飲み込む。

□震えがきたら、全身に一度、力を入れてから脱力する。

□ひざがガクガクするようなら、足の親指にしっかり力を入れてぐっと曲げてみる。あるいは、ひざの屈伸運動をしてみる。

 

何よりもよいのは、深呼吸することです。まず、大きく息を吐きます。そして、ゆっくりと入れます。

あがるときには、顔が熱くなったり、息がうまく吐けなくなるからです。冷たいもので顔をぬぐったり、ゆったりと、何か好きな言葉を声に出して読んだりすると、落ち着くことでしょう。

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