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2025年11月

閑話休題 Vol.104「書道」(3)

〇梅棹忠夫の工夫のその後

 

民俗学者、梅棹忠夫氏は、ロ ーマ字論者で、縦書き3種類 (ひらがな、カタカナ、ローマ字)が打てる日本語タイプライターを考案、実際に訓読みの漢字を使わない文章で書 くなどを試みました。当時は、カナモジ論者、ローマ字論者、新字論者、エスペラントイストがいたわけです。このあたりは、日本語ワープロの発達で一転しました。

「日本では、海外と異なり宗教(ここでは神道)は、論理的に論証されてこなかった」

日本語の非論理性、非科学的、敬語、主語などの問題は、欧米語とだけ対比されて、私たちに刷り込まれてきたこと です。日本語について、氏は「情緒的な方が高級である」と述べ、「外国や外国語へ対決、理解させようという働きか けはなく受け身だ」と言います。今も、その傾向は失われていないと思います。

しかし、「日本人には英語が必要ない。日本語は、外国人を 寄せつけない」というのは、現在では、もはや言えないことでしょう。

「標準的日本語の創造に成功しなかった」「和語での(近代) 用語集をつくれなかった。漢語から独立できなかった」と もありますが、一言には言い切れないものです。

今、日本には、まだ方言コンプレックスは残っていますが、 昔ほどではないでしょう。方言は失われつつあっても、一方で、残ったまま、相手をみて使い分ける能力を皆がもっ てきたともいえましょう。

 

<以下、前回「書道」の書と日本の文字の関連する項目の抜粋>

[三筆]空海•嵯峨天皇・橘逸勢 唐様では空海の『遍照

発揮性霊集』(空海の弟子•真済)

書は、筆跡(肉筆)、書字跡(墨跡)、力―深さと速度(流麗、流暢)―空間と時間

書の三要素、「線質」、面の美、鋒先の動線美、蔵鋒の美筆触(書きぶり、タッチ)と構成、字画←→虚画、虚筆、虚脈

墨の色筆、墨、紙と草書体(今草)、毛筆墨の濃淡、強弱が「墨痕」線の肥痩(太い線や細い線)

天筆(AD650年)―起筆、送筆、終筆、転折(横、縦)、撥ね、はらい

毛筆と筆く筆法〉「間架結構法」、布置章法、書体や書風文字の形態(縦長や横長、角型や丸型)      書かれ方(はね•

止めの仕方、くずし方、筆圧)、筆癖(癖字や筆順の違い、 点画の位置)

 

中国…毛筆、垂直に立てる、刻具(搔く、描く、欠く)

永字八法 漢字の「永」書に必要な8つの技法、点、横画、 縦画、撥ね、右上がりの横画、左払い、短い左払い、右払い

日本…左前へ傾け、はく、はらう(散らし書き、分かち書き、返し書き)、崩れと崩し(加減、諧調、歪曲)、白紙、余白、さらさら

 

日本語は、文字で話し文字で聞く 演歌、能、歌舞伎、句

会(短冊)

アルファベットは、音声を書き音声を読む(声帯と空気の 摩擦)、触覚、朗唱、オペラ、朗読会

 

[形臨]字形を真似て手本にできるだけ忠実に字形や用筆 法を模倣する。技術面の習得。

[意臨]筆意を汲みとる。作品が生まれた時代背景や作者 の生き方、精神性まで模倣

[背臨]手本を記憶した後、見ないでその書風を自分のも のとする。他の作品にも応用。

 

〇課題

 

書とIT化(デジタル、ワープロ)、さらにAI化(AIでの同 時通訳、同時翻訳)、書体とフォント、日本文化と書と音(声) の今後。

 

参考:「空海の文字とことば」岸田知子(吉川弘文館)、「書 とはどういう芸術か」「日本の文字」石川九楊、「二重言語国家日本」石川九楊(NHKブックス)、「日本語と日本文明」 梅棹忠夫(くもん出版)、「かな文字」(NHK「美の壺」)、「歴 史散歩」(Net

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.29

〇言葉をフレーズにするトレーニング

 

  • 「つめたい ことば きいても」

(レミファミ ミレレ ドドシbb

たとえばこの1フレーズを、半年かかってでも1つの形 として完成するようにしていくことが大切です。半分の完 成度で何十曲も歌うよりも、1曲の一部分でも、100パーセ ントの完成度を求めることを優先することです。

これで音域が半オクターブくらいあります。それを上下 に3度位動かせば、1オクターブできるわけです。そこで勝 負しないで先にいくと、いつまでも1オクターブができな いまま、2オクターブ、3オクターブめざして暴走するとい うことになります。

言葉をきちんと言っていくというトレーニングは、大切なレッスンです。そこで身体からの息が意識しないで声になっていくというプロセスを踏むことが必要です。繰り返しやっていくうちに意識しないまま、声が動いていきます。 そして、そのなかに音の動きを楽しんでいく、つまり音楽、 曲、歌を感じていくわけです。それはどうしても、声が自然に出せない多くの日本人がもてなかった部分です。

すべては、声をどの程度、自分の身体に特化して、表現できるかということにあるといえましょう。

日本人は、声を作って、言葉を作り、さらに歌をつくっています。つまり3段階作っています。3段階も、小細工して作為的なことをやったものが、人に感動を与えるはずはないでしょう。不自然極まりないわけです。もう単純に、人が声を出している、それで、それが何かを伝えていて感 動できる歌にならなくてはいけないのです。

誰でも正しいトレーニングをすれば、数年で歌う声はよ くなっていきます。ただ、日常的な声が変わっていくとい うのは、かなり難しいのです。しかし、日常の声のまま、 意識せずに歌えるというのが、最終的な到達点です。

最初からハイトーンで、ニューミュージックや演歌を歌 っていると、よほど意識しないとポジショ二ングが浅くな ったまま、悪いくせがついてしまいます。それでは根本的 な差をつけられなくなってしまいます。1曲歌っているうち に、声とともに喉もあがりきってしまい、いつまでも歌を 自然に歌えない大きな要因となります。それを逆にイメー ジします。高いほど身体を使い、意識を低くもつことが大 切なのです。

 

  • 「マリア」ということばでやってみましょう。

どのキーでもよいです。条件は、歌うというよりも、言い放つ感じでやることです。口先で歌ってしまってはなり ません。

まず、「マリア」と言葉で言ってみてください。

毎日、息を吐いていると、音域や音量よりも先に、身体に声が入ってきます。声が出ないのは、今までそのように やってこなかっただけです。声を正しく使っていると、自 然とよい声がうまく使えるようになるのです。ただ、多く の人が、しゃべっているところは、ほとんど浅いところで 作ってきた声ですから、使えません。「マリア」と、言葉で 深く出し、そのまま「マリア」ときちんとシャウトできるようにしていくことです。すると、そこで胸にひびいてき ます。深い声で「マリア」と入っているところで声を解放すると、自然に「マーリア」とそのまま歌になります。それに足るだけの声をキープしておくことです。

 

  • 「マリーア」(ラドシbb

「マリイア」というところにフレーズがついているわけ です。歌のほとんどの部分というのはこの「マリア」「マリ ーア」と言っているなかでつくられているようなものです。

「マリーア」を口先でやらないで、お腹から大きな声でいうことが大切です。難しいのは、言葉を大きく言ったり、 キーを高くしたりしたときに、低いキーのときと同じポジ ショニングをとることです。

最初のところで、自分の一番、声が出しやすいキーで「マ リア」といいます。「マリア」という言葉を出したときには、 もう「マリア」というフレーズがついて、そこにメロディが聞こえてくるようでなくてはなりません。

初心者の場合は、声を言葉にすると、「ハイ」と言い切れ ず「ハァイ」となり、メロディをつけると、それで「ハァイイ」と歌ってしまうわけです。上のひびきを使うと簡単 ですから、息の浅い日本人は、器用に顔面にひびかせ、高い音をとってしまうのです。そうすると、身体を使わない ままにすんでしてしまいます。身体が育たないのです。

声にならないまま言葉にして、歌にして、そこにメロディやリズムなどいろんな要素を加えるのですから、逆にと ても大変になるのです。使いわけばかりが器用になって、

結局、1つにならないからです。正しいものはシンプルかつ 単純です。シンプルでないと身体は使えません。

曲のなかで、高く張り上げたいとかどこかで落としたい とか思ったら計算してまとめていかなくてはいけません。 それを歌の中でやると、難しい上に計算ずくの表面をとり つくろった歌にしかならないのです。向こうの人たちとい うのは、ごく自然に息を吐くように声を吐き歌をこなすわ けです。こういう問題は、歌でなく声のレベルで解決して おかなくてはならないのです。要は、呼吸だからです。

「マリア」は、単純に言うと、言葉の「ハイ」の応用です。「ハイ、マリア、マーリア」。これができるかどうかです。

 

  • 「ハイ、マリア、マリーア」

(ラ ラ ラミレ)

このメロディが声のなかに、入っているようにすること です。声で一番大きく「ハイ」といいます。それでこの声(のポジション)のまま「マリア」と大きくいうのです。

そのなかに今度は「マリーア」というメロディが入るようにします。ほとんどの人は「ハイ」「マリア」「マリーア」 の順で、実際のところ、声が小さくなってしまいます。自分では出しているつもりでも声が出ていないのです。です から、トレーニングのためには、「ハイ」「マリア」「マリー ア」と強めていくと考えた方がよいでしょう。それに耐え る身体、つまり声ができてくるからです。歌の声もこの線 上にあるべきなのです。

 

  • 「ハイ マリア マリーア」

(ラ ラドド ラミレ)

「マリーア」というのが歌っているように、聞こえない 方がよいでしょう。歌っているというのは、「マ・ア•リ・ イ・ア」となってしまうことです。「マ・ア・」で「マリア」 の「マ」でなくなってしまうのです。「ア」はたいていの人 の場合、浅い声となりがちです。さらに「リ」も入りにくいのです。「イ」が苦手な人は「マ」で伸ばした方がやりや すいでしょう。これは「マリーア」と「リ」を伸ばす場合です。この他に、「マアリア」や「マリアー」などもやって みるとよいでしょう。

半音ずつあげていきましょう。

 

  • 「マリーア マリーア マリーア」

(ラドド ラレレ ラミレ)

これを歌わないで済ませるというのが、1つの歌の基本卜 レーニングです(ここで歌うというのは、声のポジション が音によって移行してしまい、声質が音によって変わって しまう日本人特有の歌い方をさしています)。

こういう歌わないような歌い方は、実際には案外と多い ものです。単に男性の名前だけ呼ぶとか、女性の名前だけ 呼ぶとかいうのも、各地の歌にあります。歌の最初の発祥 も、愛する人の名を呼ぶところなどからでしょうから、そ こから入っていくのもよい方法です。

「マリア、マリア、マリーア」この3つの言葉の差をなくすことです。この声をそのまま、喉に負担をかけないでどんどんと大きくしていきます。言葉を大きくしていくと、 歌がそのなかに入ったという感覚にいきつきます。そこが できるまで待つのが、望ましいことです。

これで半オクターブくらい上げていくと、だいたいの人 が歌いあげて声が細くなってしまい、シャウトできなくな ります。これを、できるだけ、声を自然に使うなかで済ませるようにしていきます(要は、喉をあけて、声をキープし続けるということです)。「マリーア」とひびきだけで歌 い流してはなりません。

高くなるほど、ストレートに情感を出したいものです。

「ラ・ド・ド」と3度上にいくわけですから、「ラ」で置いて、「ド」で少し強く張り、「ド」で絶対、身体に入れます。ですから、高く上がっていくときに、どんどんと力が抜け、上にひびきがそれていってはいけないのです。最初の「マリア」は単におくだけ、そして「マリア」「マリーア」と、段々と声に入り、より身体にも入り、表現も強くなっていくようにします。息や身体が負けていたら、結局、上にあがれないということになります。実際に出した声に表現がでているかどうかから判断してみてください。こうして、トレーニングは、声を意識して身体をつくっていき、歌うときには声を忘れて自然に表現できるようにするのです。

 

  • 「マリア マリア マリーア」

もう一度やってみてください。

最初に「マリア」と胸に声をつけたところのポジション をきちんとキープしておいて、次の「マリア」はできるかぎり同じにして「マリーア」と伸ばします。ただ、この音質を同じようにキープしようと思ったら、トレーニングに おいて身体は、2倍いるし、3番目では3倍いるでしょう。

実際の歌のときは「マリア マリア マリーア」とひび かせようが、ファルセットをかけようが、何をしたってか まわないのです。ただトレーニングでやらなくてはいけな いことは、「マリア マリア マリーア」(クレッシェンド) というところで身体を使うことによって声と身体を結びつ けつつ身体を鍛えることです。目的が違うのです。要は深 い声となるポジションを安定させ、声を大きくしていく器 を作っていくことなのです。

これを「あおい」でやってみましょう。

 

  • 「あおい あおい あおーい」

(ラドド ラレレ ラミーレ)

これも同じように「い」で浅くひびいてしまうと、「い」 と言えなくなってしまいます。「あおい あおい」のところ で11つきちんと胸に入れておくことです。そして息を 使ってフレーズを伸ばしていきましょう。すべて胸にくさ びみたいに入っていないと、はずれていってしまうのです。 くさびがポジションなのです。

3つの点をきちんとそろえてやるということが大切です。 この場合、フレーズというのは、3つの点をきちんと同じと ころの点でとっていく、あるいは、より深くとっていくた めに、キープしなくてはいけない強い息の流れと考えると よいでしょう。すると、そのまえのところから、あらかじめ息を配分していかないといけません。

歌は歌うところから始まっているのではありません。「あ おい」というまえに、それをのせていくための流れがあり ます。言葉のあるところだけを歌うのではダメです。歌っ ていないところも含めて全部が歌になることです。たとえ ば「あおい あおい あおい」という歌に「ああそうか」

とお客が反応し、そこにさらに「あおい あおい あおー

い」と、ひっくるめて息の流れが続いているものなのです。 日頃の自分の感覚の中に、息があります。声を出している わけではなくともいつも身体はリズムを刻み息をしていま す。その一部分が、表現されたのが歌なのです。

 

日本のミュージカルなどは、いかにもここから歌だとい うように唐突に歌い出し、流れが前後で完全に切れている から私などは聞いていてぶつ飛んでしまいます。違和感を 覚えてしまうのです。そこまでのところを言葉なり、息や リズムできちんとつなげておいて、メ ロディに入るべきで す。そのためには、せりふがもっと音楽的でなくてはなら ないでしょう。

 

その基本が「ハイ」の練習です。声で「ハイ ハイ ハイ」と言ってみます。声ができてくると、「あおい」とか「ラ ララ」とか「あえお」とかいうのも全て同じように処理できるようになってきます。声を身体につけるということで す。「ハイ ハイ ハイ」と言っている声を身体と一体化し ていくのです。

そして声を一体化したら、次に言葉と一体化していきま す。「ハイ ハイ ハイ」と言っていたものが、いつの間に か「あおい」になっても「マリア」になっても同じになってきます。やがて、それが歌に聞こえてきます。歌になったときでも、ポジションは保っておきたいものです。

では、もう一度「あおい」でやってみましょう。「タン タ ン タン」(ラシド)とあがるので、単に「タン タン タ ン」とやっていては、当然盛りあがらないし、歌としても完結しません。最初に使う力が1だとしたら、次が3、最後 が5というくらい差をつけるのです。身体が声を出すこと に特化されていないと、「あおい」と3回言えばよいのだか らと力を3等分にしてしまいます。それを感覚的に変えて いかなくてはできません。等分ではなくて、1:3:5 くらい の差をつけるのです。歌になると、うまい人が歌ったら、 多分これが0.5 3 30 くらいになるでしょう。へたな人が 歌うと、これが1:1:1から抜けきれませんから表現にな らないのです。

ですから、意識して、一番大きく声の出せるところでシ ャウトできるように、きちんともっていく形をとることで す。

「ハイ ハイ ハイ」と、たった3回でもそのどこかがうまくできなければ、その後はうまく乗っていきません。 ひびきにのっかって逃げていくと中身がないものとなって しまうのです。身体が入らないと心も入りません。ポジシ ョンでいうなら、高く上げていくとき、途中で1つの音が狂ったら、もう23音、高いところでダメになります。多 くの人はダメになった音より上まで出して、その音ができ ていないと思って、それを直そうとトレーニングしていますが、本当は、その何音も低い音で間違っているのです。

ですから、そこを厳しく判断して、正しく声にしていくことです。きちんと身体で受け止めてそれで身体で返していくのがトレーニングです。いつも、もっと身体を使うこと、耳を使うことを考えてみましょう。ただし、やってみて喉にきたらダメです。きちんと表現できるところを元にして考えましょう。あまり、ひびかせたり、こもらせないことです。

 

「最強トレーニング」 Vol.9

〇手本とするプロのスキルを盗む

 

プロの話や声の使い方から職業別に、特に学ぶべきとこ ろを示しました。それぞれに特色がありますね。

□アナウンサー〜 アクセント、イントネーション、正確さ、メリハリ、標準語

□役者〜 ジェスチャー、表情、パワー、インパクト、声質、スピード、表現

□声優〜 発音、声色、表現、個性

□落語家〜 語り口、伝え方、動作、間、ユーモア、表現

DJ、パーソナリティ〜 コミュニケーション術

□朗読家〜 イメージ、語り、声質

□講演家、インストラクター〜 構成展開、内容

ここでは、彼らのテクニックをいくつか学びましょう。

 

〇人前で話すときの注意

 

人前での話では、聞く人は発言しない(できない)のですから、その分、聞いて噛み砕くための、間をとらなくてはいけません。こういうときは、話し手がリラックスしな いと、聞く人もくつろげません。聞く人への気配りを忘れ ないようにします。

また、一方的にこちらから話してばかりでは、相手にと って不快なものとなりかねません。特に、知識の押し売り はやめましょう。

元首相の田中角栄は、「どうですか、みなさん」「そう思いませんか、みなさん」が口ぐせでした。

大きな声だけでは、息切れするし、うるさくて聞く人も くたびれます。大きめのイメージで声を出し、動き、ジェスチャーの方を大きめにするとよいでしょう。

 

〇人前で話すときに覚えておくと、間をつなげることば

 

1.「聞こえますか、一番、遠くの人。 はい。

では、話し始めます」

2.「なんだかわからなくなってきましたね」

3.「•••ときまして、これが私の専門ですから」

4.「―のようなものです」

5.「―みたいな」「―という感じです」

全体と部分、スタンスをうまくつかまえておくことです。

 

〇声のテクニックのいろいろ

 

文頭をたたみかけ、文末はゆっくりと抜くと、わかりや すく聞こえます。

ピリッとした声で入り、ピークは低音で息をまぜていう とよいといいます。

間は充分に保ち、たたみかけと、間で、話を強烈に伝え ましょう。

どんなに気のきいたことばでも、声の力が伴わないと、 効果は半減します。

肩の力を抜きましょう。両手を効果的に使いましょう。

 

  • 呼びかけ調を使う

「あなたの」「みなさんの」「わたしたちの」

  • 軽い例をあげて重々しさをとばす

「―さえすれば〇〇できる」

  • 質問話法

「このなかでパソコンをお持ちの方…」

 

  • 声で相手をじらせ、ひきつける効果をねらうトレーニン グ

1.「あとで述べますからね」

2.「もう少し先で教えましょう」

3.「ここからが大切なのですよ」

4.「さて、どうなるでしょう」

5.「ここまでは、誰でもわかりますね」

6.「それでは、本題です」

7.「今日はここから十五分だけ、しっかり聞いてください」

8.「これまでは序論、ここからですよ、大切なのは」

 

  • 得した気分を与えるトレーニング

1.「ここだけの話ですがね」

2.「誰にもいってはいけませんよ」

3.「あなただけに話しますけどね」

 

  • 人をひきつける出だしのトレーニング

1.「おもしろい話なのですが」

2.「耳よりな話なのですが」

3.「とっておきの話ですが」

4.「ここだけの話ですが」

5.「オフレコですが」

 

  • 話に期待をつなげるトレーニング

1.「次はもっとおもしろいですよ」

2.「こうなんですよね」

3.「実は、ですね…」

4.「それではこれをみてください」

 

  • クッションことばのトレーニング

1.「厳しいことをいうようですが、」

2.「誰でも人ごとだと思っているのですね。これが…」

 

〇ことばや声で逃げない

 

デール•カーネギーは、「話術の魔力は君のもの」で、「あ なたのいうことを力強く、断定的にいいなさい」といって います。これは、「―と思われる」「多分―」「私個人の意見 では」などといったあいまいなことばを使わないようにと いうことです。ルーズベルトは、これらをいたちことば (weasel words、つまりおくびょうな、シッポがついている意味)と名づけました。

主張したいときは、強調するところをはっきりと示しま しょう。

それには、断定することばを使います。ただし、声を強く使いすぎると押しつけがましくなり、相手が拒否感を抱 くので、よくありません。自分の感情を他の人に強制しす ぎないことも大切です。

 

  • 断定することばとそのいい方のトレーニング

次のことばは、強い口調で使ってこそ効果をあげます。

1.「きっと」

2.「断じて―ない」

3.「またとなく―」

4.「とっても」

5.「たいへん」

6.「すごく」

7.「ひじょうに」

 

〇ひかえて強調する

 

ひかえめ、わざと弱めるのも効果的です。たとえば、程度を表わすことばも「すごく大きい」よりも、やや手前でセーブするとよいでしょう。

1.「〇〇の次くらいに大きい」

2.「日本で二番目くらいに新しい」

 

〇テンポとスピードを変える

 

話し方のテンポは決まっているものではありません。聞 く人によっても、話の難易度によっても違ってきます。こ れは、話し方のメリハリや話し手のスタイルによります。

テンポは速くなったり遅くなったりしてもよいでしょう。 聞く人にとってわかりやすくなるように工夫することです。  単調で退屈で眠くならないように、相手の気持ちになって、

うまく変えることです。

 

1.スローテンポ

難しい話をわからせるとき、また相手を反省させたり納 得させる必要のあるときには、ゆっくりとかんでふくめる ように話します。

難しい(話や箇所)、抽象的、数字・専門用語、ポイント など。

特に相手が、初心者、外国人、一般の人のいるところ、 メモ、ノートする人の多いとき

2.アップテンポ

相手があまり聞きたがらない話は、スピードをあげます。 簡単、重要でない、具体的、わかりやすいところ。

その話について、もっと詳しい人がいるところや自慢話 など、早く切り上げたいところではなおさらです。

 

  • テンポを変えていうトレーニング

次の文を、1.ふつう、2.速く、3.ゆっくりと、三通りで読んでみましょう。

「スピードは速くなったり遅くなったりしてもよいでしょ う」

 

〇カラオケの歌詞をBGMにのせて語る

 

カラオケ曲で、歌うのではなく、語るトレーニングをし ましょう。歌詞には、起承転結があります。しかも短いので、最適です。

日本語は、高低アクセントのため、強弱がつきにくく、 間延びして、ダラダラした話になりがちです。

 

〇方言も使いよう

 

方言には、日常会話のなかではほのぼのして味があるの で、最近はもてはやされています。関西弁などは特に母音 が多く、やわらかい言語です。

しかし、パブリックなスピーチなどには、誰にでも伝わ る共通語で、話せるようになりましょう。

 

〇リズムをつける

 

あまりにゆっくりと平坦に話していると、聞き手は退屈 になります。話には、メリハリや間が必要なのです。文は短くいい切ります。そして鋭く切り出し、リズムをつくり、 それにのせていきます。これがスピーチのコツです。

短く切ると次のことばが出ないのではと思い、恐くなる ものです。しかし、堂々と間をあけてください。

間があいてしまったときには、考えればよいのです。沈 黙を恐れる必要はありません。その間で、相手は考えたり、 しゃべったりしているかもしれません。

聞く人は、間でそこまでの話をまとめて、そこからよう やく先に頭がいくのです。

夫婦げんかでの間やたたみかけ方こそ、声の使い方と間 のお手本であるといわれます。表現すべき必然性の高いも

の(たとえば、映画の弁論ものの1シーン)から学ぶとよいでしょう。

 

〇声はムチのように強くしなやかに使う

 

口から発された声が、ハタキの先のようにバラバラになっては困ります。あたかもムチのようにどこへ振ってもし なやかに、強く、11本までしっかりと最先端のさらに先 まで力が伝わるようなイメージを声にもちましょう。遠く の的に矢を射るように、声はいつもしっかりと焦点をもっ て出すことです。

たとえば、「わたしは」といってみてください。「た」や 「し」が弱まりませんでしたか。

一本の線のように身体から発声できましたか。もちろん、 強くして「わたしはあー」と、選挙演説の人とか体育会系の人のゴリ押し発声にならないようにします。

フレーズとの間をもたせるために、呼気のコントロール と深い発声ができなくてはなりません。これも、「私は」と きちんと伝わるようにいえなくてはならないのです。

 

「今を出し切る」 No. 411

ここの仕事は、声の力を伸ばすことです。

たえず相手や時代に合わせて

リニューアルしてきました。

それでも長く続けていて

変わらないこともあります。

 

グループレッスンで

行っていたときも

初月から発表のステージを

設けていました。

 

「これから始めるのに?

「早すぎるのでは?

 

いえ、声や歌は、誰もが接してきたものだから、

今、この場で出せるものをすべて出し切る、

なまじなものは、使えないと知ることです。

そのことで入れることができる、

キャパが確保できるのです。

 

ほとんどの人は、

すべてを出し切りません。

出し切れません。

出し惜しんでいるわけではないのでしょうが、

これまでの自分を守っているのです。

あいまいなままでいるのです。

 

声や歌が、なかなか上達しないのは、

まさにあいまいであることが許されているからです。

 

それでは、新たなものは宿らないのです。

大きくは変わらないのです。

 

これからの可能性を最大にするため、

まずは、今あるものを

常に出し尽くせるように

臨んでみてください。

 

スタートとゴールは、 一緒なのです。

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