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2026年1月

閑話休題 Vol.106「茶道」(2)

〇三千家

 

千利休の没後、千家は2代・少庵(しょうあん)、3代・宗旦(そうたん)と続いた。3代宗旦の三男である江岑宗左(こうしんそうさ)は、宗旦の隠居に伴い継嗣として不審菴を継承した。宗左は千家の直系を継ぐ。宗旦は屋敷の裏に今日庵を建てて隠居所とした。宗旦の死後、今日庵を四男の仙叟宗室が受け継いで、裏千家を立てた。また次男の宗守が養子先から出戻って武者小路千家となった。こうして表・裏・武者小路の三千家が始まった。

 

「表千家」

表千家を象徴する茶室不審菴(ふしんあん)の号は「不審花開今日春」の語に由来。現在は、15代目の猶有斎(ゆうゆうさい)宗左(そうさ)が家元である。代々の家元は紀州藩主である紀州徳川家(御三家)、紀州徳川家とつながりがあった三井家とも縁があった。

6代覚々斎以降の、町方への普及。7代如心斎は、実弟である裏千家8代一燈宗室や、高弟である川上不白らと共に時代に即した茶風を創り出し千家中興と称される。

 

指導方法としては、七事式が制定、許状とは、稽古することを許可する書面。(資格)

入門(にゅうもん):割稽古・略点前からはじめて薄茶・濃茶の基本の点前や炭手前など、茶道と聞いて、一般に思い浮かべられるほとんど全てを含んでいる

習事(ならいごと)/飾物(かざりもの):習事八箇条、飾物五箇条からなり、特別な状況や道具に即した変化を学ぶ

茶通箱(さつうばこ)/唐物(からもの)[講師]/台天目(だいてんもく)/盆点(ぼんてん)[教授]:台子点前の準備段階として重要な道具の取り扱いを学ぶ

乱飾(みだれかざり):台子点前

真台子(しんだいす、しんのだいす):真台子を用いた奥儀

<重要文化財>表千家祖堂、絹本著色千利休像、瀬戸黒茶碗(小原木)

<名勝>不審庵(表千家)庭園

 

「裏千家」今日庵が通りからみて裏にある意。茶室・今日庵(こんにちあん)は裏千家の代名詞

8代又玄斎一燈は、兄の表千家7代如心斎と共に千家の中興とされる。

茶道総合資料館 茶道文化検定。現、16代目の座忘斎。

入門:割稽古・盆略点からはじめて薄茶・濃茶の基本の点前や炭手前など、世間一般が茶道と聞いて思い浮かべるほとんど全てを含んでいる

小習:十六ヶ条の習い事と呼ばれるもので、特別な道具や状況に即した変化を学ぶことで茶道の基本を身につけることを目的としている

茶箱点:茶箱を用いた裏千家独自の点前であり許状である。従来は「欄外」に区分されていた[以上、初級]

茶通箱/唐物/台天目/盆点:台子点前の準備段階として重要な道具の取り扱いを学ぶことを目的とした、いわゆる「四ヶ伝」

和巾点:名物裂と中次を用いた古法で、裏千家独自の許状である。従来は「欄外」に区分されていた [以上、中級]

行之行台子/台子点前の基礎で、いわゆる「乱れ」

大円草:大円盆を用いた裏千家独自の点前であり許状である

引次:行之行台子までの許状の取次をする許可[以上、上級、助教師]

真之行台子:台子を用いた、いわゆる「奥儀」

大円真:大円盆と真台子で行う格外の奥秘であり、裏千家独自の許状である

正引次:真之行台子までの許状の取次をする許可[以上、講師]

茶名:利休以来の通字である「宗」を含んだ名前を名乗る許可であり、また正引次までの許状の取次ができる資格でもある[専任講師]

準教授:茶名までの許状の取次をする許可[助教授]

 

「武者小路千家」所在地が武者小路千家の名の由来である。官休庵(かんきゅうあん)現、14代目の不徹斎。

 

 

<作法の違い>

・裏千家は薄茶をよく泡立てる。表千家、武者小路千家では泡をあまり立てない。

・裏千家の茶筅は白竹。表千家では煤竹。武者小路千家では胡麻竹(染み竹)。

・菓子器は裏千家が蓋なしの鉢、表千家と武者小路千家は蓋付きの喰籠(ジキロ)。

・道具の箱の紐色が、裏千家は深い緑、表が黄、武者小路が茶と紺。

・女性の袱紗(ふくさ)は、表千家は朱無地、裏千家は赤または朱無地のどちらか、男性は紫無地が主流。

 

「家元制度」

芸事一般に見られる家元制度の確立。家元たる当主は直属の門弟に稽古をつけてその分の教授料を取る。直属の門弟は自分の弟子に教えて教授料を取りその一部を家元に上納する。直門の門弟の弟子の弟子は更に自分の弟子に、と家元を頂点としたピラミッド型組織である。

家元は、許状(ゆるしじょう・おゆるし)の発行権を独占、中間の師匠は自分より上位の師匠、さらに家元へと許状の発行申請を取次ぎ、御礼(申請のための費用)も上納する。家元を権威付け、分派独立を防ぐと同時に組織の経済的基盤を確立。

 

参考:Wikipedia

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.31

〇歌詞のいいにくい、難しいフレーズを言葉をかえて練習する。

 

  • 「あなたへの歌に 愛していたのと」(ミラソソミソラシ ラララソ♯ シララ)(「君をうたう」より)

 「歌に」の「に」が難しく、つっかかりやすいでしょう。喉を絞めたりかすれているのではなく、同じポジションをとろうとしてかすれるのならかまいません。「ていた」で、ひびいてコントロールできない発声になってしまうのは、「あいし」で深くとらないからです。

 

  • 「あ~あえおえ、あえおえあえおえあおえあ~、愛していたのと」(ソーミラソソ、ミラソソミラ ソソミソラシー、ラララソシララ)

 どこかで言いかえた方がよいでしょう。全体的に、体力が必要です。まあ、自分なりにメリハリをつけてください。上っていって落ちてくればよいだけです。

 きちんと発声できている人は口内に響かなくなるのです。遠いところの声、あるいは小さな声に聞こえるようになっていきます。

 それから、「あ」の位置を深くすることです。「あ~あえおえ」では、なるべく深いところでとっていかないともっていけません。そして、最後「あおえあ~」。息を使い切ってはダメです。呼吸のバランスとフレーズの配分をうまく考えていかないとできません。

 

〇フレーズを通して声の線を一本描く

 

  • 1.「あーくるしいさみしいあなたへの歌に」

 (ソーミラソソ ミラソソ ミラソソミソラシ)

2.「ひとこと、こたえておくれ」

 (ソシラ ソファ♯ミファ♯ソ)

 

 最初の「あ~あえおえあえおえお」くらいで、もう口の中が疲れ果てないように。勝負しないといけないところは「あおえあ(「のうたに」に対応する部分)」です。ここで一番身体を使わないといけないのに、逆にそこで放してはいけません。ここでキチッと入れて、「愛していたのと」と出さなくてはいけません。

 「歌に」をはずして、「あなたへのあおえあ」にします。「あおえあ」あるいは「あえおえあおえあ」、にします。「歌に」のところだけ「あおえあ」に変えるか、ややこしいなら「あおえあ」を2回くり返してもよいです。

 「あおえああおえあ~愛していたのと」がワン・フレーズでできれば一番よいでしょう。

 「あなたへの歌に 愛していたのと」、「愛し」の「愛」は簡単ですが、「していたのと」のところが雑になりがちです。口の中でいうと声の線が消えてしまいます。最初から最後まで、くっきりと一本の線を描いていくことです(しっかりした声になっていなくても息が流れていれば構いません)。

 「歌に」の「に」のところできちんと入れて、広げて、そこから「あ」のところにきちんと持ってこなくてはいけません。この「愛して」のところで、きちんと言い切れないで泳いでしまうと、歌全体が流れてしまいます。

 「ひとことこたえておくれ」も、「おくれ」のところで盛り上げ、その後に落ちます。ですから、息とフレーズと自分の言葉のリズム感覚がフィットしないと切り出せないし、フレーズをもたせられません。どこかで流れが滞ってしまうのです。

 これが基本的なベースの歌い方です。出せる音域での音の処理として、自分の身体の中でひとつに掴んだものをきちんと息で送っていく、それを感情と一致させていくことです。あまり「寂しい」、「苦しい」と、作った感情を入れようとしないことです。自分の身体の大きなバランスの中で、それが聞く方に感じられるように表現するようにしてください。これくらいの長さでトレーニングしてください。

 

  • 「なにもかも見えない~」(ラシドミレドシラ)

 ほとんどの人が、「か」のところで響きにのってポジションが移って音をなくしてしまうでしょう。「がげぎごぐ」の「ぎ」、「ぐ」をうまく処理することでやってみましょう。

 日本人の「い」や「う」はとても浅いので、いくらでも口先でつくれます。「か」や「た」もそれに近い音です。その作った部分を放してしまうと声がなくなってしまうのです。だから、いつまでも声にヴォリューム感が伴いません。深いポジションを持たないと、こういう言葉は本当にはいえません。

 「なにもかも」の、「か」は、きっかけのところだけとれれば、「かぁ」の「あ」の中では入るはずです。「なにもかもみえない」を「あおいえあい」におきかえてやりましょう。苦手な音は集中的にやらず、ごまかしつつ、正しい声のなかに巻き込んでいくのです。

 「なにもかも見えない」の母音だけをとると、「あいおあおいえあい」となります。これは「あいお」が言いにくいでしょう。

 これをテヌートでやります。一番深いところで押さえておいて、上の方で音を保ち、やわらかく切るとよいでしょう。ただ、口先ではなく、身体の方で切ることです。言葉の音をおいていくという感覚です。おくまえに、おくところの線を自分でつくっておかないといけません。それがフレージングです。

 

〇フレーズの捉え方

 

  • 「あー、くるしい、さみしい」(レーシミレレ)~「あ~く~さ~」(レーシーシー)

 まず、言葉でそのまま言ってみましょう。「さびしい」でも「さみしい」でもどちらでもよいです。

 何だか高校生の演劇みたいですね。なり切る必要はありません。こういう歌の場合は、第三者的に歌い上げる場合が多いので、過度の感情移入するより、ワン・クッションおいて感情を構成した方がよいでしょう。声の面から言ったら、そのまま息の流れで言った方がよほど楽です。歌は大きなフレーズを作ってい るので、劇の発声とは少し違います。

 「ああ」と言っているなかで「苦しい」と捉えていくことです。「ああ、苦しい、寂しい」といくら口先で言っても、言うほど感情から離れていきます。自分の感情と一致させることです、自分の身体の動きとこの感情の流れとを、1つの動きに一致させるということです。ですから、息と声の深いところでの一致が原点なのです。ここで大きく作っておくことができれば、入っていけます。こうして、フレーズという考え方を少しずつわかっていってください。

 「ぁあ」なのか「あぁ」なのか、「苦しーい」の方が情感が出ても、気持ちのバランスとしては「苦しぃ」でしょう。歌ではなく言葉ということで言っても、“それらしく”なってしまわないことです。「あー、苦しい、寂しい」は、簡単にフレーズにすると「あ~く~さ~」、これだけです。その中に言葉がきちんと詰まってはみ出さないことです。ところが、「あ~く~る」になったり「ああ苦しい」になったり、そういうはみ出しがあると、フレーズはきれいに流れなくなってしまいます。だから頭で計算して作ってはいけません。

 感情をなるだけ生かして、音を処理することです。息の流れからすると、「あー苦しい、寂しい」ではなく、「あー苦しい寂しい」という1つの流れです。息つぎをしてかまいませんが、息つぎの仕方で作ってはいけません。息つぎが次のフレーズを決めます※。

 日本人が歌うと、どうしても「♪ああ、苦しい、寂しい」、「はあ、はあ、はあ」というようになってしまいます。それではダメです。「はあー」と、1つの流れの中でやっていくことです。

 これをプロの歌で聞くと、楽々歌っているようにみえます。実際楽々歌っているのでしょう。そこが身体の違いです。50キロ持てる人が30キロ持つのと、10キロしか持てない人が30キロ持つくらいの差があります。ですから、今は10キロしか持てなくても50キロ持てる人との差が40キロあることをわかることです。それが求められる耳のよさです。

 長いフレーズでやると「あー苦しい寂しい」と全部身体から離れてしまうので、こういうときは、フレーズを縮めてかまいません。

 「苦しい」。「く」が身体にしっかりと入って、その後に「う」が続きます。「く、る、し」の、「る」も入っています。「し」はこれでよいのですが、「し~い~」となるのはよくありません。普通は「し~」のなかに「い」を作ります。そういうことも全部フレーズの基本なのです。日本語を一音ずつ切り離さず、リエゾンのようにしていくのです。「くる~、くる~」や、「るし~、るし~、し~」という形です。「く・る・し・い~」とやってはいけません。

 日本語はそうなりやすいので、歌のフレーズ

に向いていません(より大きいのは、リズムグループの問題です※)。ただ、すべて母音がついていますから、英語よりも音楽的に処理できるともいえます。そういう意味では日本語は音楽的な言葉なのです。大切なのは、「く」でも「あ」でも、そこでこれだけフレーズをつくっておくと楽だということです。「あ~」でも「く~」でもよいし、「苦し~」でもよいでしょう。そのなかでフレーズをつくらないと、「く・る・し・い~」みたいに離れていきます。なるだけ1つに捉えて、「苦しい」と出すのです。フレーズをつけるには、それだけ身体の力で息を吐かないといけないのです。

 

〇身体を使う方向で練習をする

 

 もっと単純に簡単にやろうとしたら、イメージを「あ~苦しい」の中に全部入れていくことです。それが浅い「あ~」という声ではダメです。入り方が違います。縦に通すと、効率のよい発声になります。浅く広げると身体で、もっていけなくなります。浅くなってしまうと、どんどん空間の中の隙間が空いてきます。「あ」は大きくなくてよいのです。ただ、その中に「寂しい」までを全部入れていくことです。だから「あ~」っていうのをなるだけ深いところで言うのがポイントになります。

 「ら」や「あ」などを、日本語の中で深くしていくことが大切です。マイクのエコーに頼らないこと。サビでいきなり身体を使おうとしても無理です。さらに、低い音はなおさらテンションも支えも使います。ピアニッシモはもっと使います。中間音で完全に身体が使うことができれば、身体ができたということです。

 

 正しいトレーニングをしていると、高い音というのは、絶対に身体を使いますから、どうでもできてくるわけです。そこで変ずるひびきの使い方、バランスだけを考えればよいのです。ひびきに乗せていたら、バンドの方で盛り上げてくれて、もつのです。大切なのは、すべての音域で、身体が入るかどうかです。きちんと歌えてる人はみんな入れています。

 

  • 「あ~くるしい、さみしいあなたの歌に」(レーシミレレ、シミレレ、シミレレシレミファ♯)

 ここで最後の「あなたへの」(シミレレシ)で、「の」の音が下がるだけです。「苦しい」から「歌」までは3つしか音を使っていません。

 フレーズが多くなれば、それだけブレスも早くならないとできません。「あなたへの歌に~」(シミレレシ、レミファ♯)で、「う」と「た」と「に」というのは、はみ出しやすい言葉です。ここは、4音しか使っていません。

 

 同じポジションで完全に握っていると安定します。一音ごとの「ハイ」をつけて「ハイハイハイハイハイ」でやってみるのもよいでしょう。

 もともと息の深い人は、しっかりした声で音域をつくっていくから確実にできてきます(日本人は浅い息なので、音域だけは取れていても、いつまでたってもその音域がものにならないのです)。

 こういう簡単なフレーズを繰り返し練習し、自分の声に肉づけしてボリュームをつけていってください。結局、ポジションもフレーズも同じことです。応用の仕方はいろいろありますが、身体が使いやすく、シンプルに1つで捉えて1つで出せるというイメージで声を変えていきましょう。

 言葉のところでも、CDを聞きながら何回もやっていれば相当な練習になると思います。どこの部分でもよいのです。一言だけを1分やっても相当、大変なことです。

 最初は、頭がクラクラくると思います。もちろん、頭クラクラさせる勉強じゃなく、身体をしんどくさせる鍛練をするのです。そのときには、喉に余計な力を入れないように、リラックスすることを忘れないことです。中途半端なテンションでやっていると、どんどん変な力が入ってきます。喉を楽にして、身体のほうに力を加えて息が吐けるのであれば、そういう息がよいと思って下さい。

「最強トレーニング」 Vol.11 

〇構想(イメージ)をもって話すこと

 

たとえば、テニスのプレーヤーは、相手の打つ前の動きからみて先に落下点を予測し、そこに先まわりして自分のフォームをくずさず打ち返します。話も、自分のフォームが充分に生かせるように予め、どのようなフレーズにまとまるかをしっかりとイメージしましょう。

行きあたりばったりでは、1つひとつのことばや音も途絶えがちになります。次のフレージングへの入り方のタイミングや声量、リズムののり、ことば、発声(響き)などが、ベストのタイミングでまとまりません。

「木を見て森をみず」ということにならないように、全体を見通した上で、声や息を配分しましょう。

 

〇フレージングを保つトレーニング

 

「すべての案件が昨日の会議で可決されました」

これを一つのフレージングの流れのなかでいいきってみましょう。

このとき、1つひとつのことばを身体でしっかりと押え、すべてのフレーズをそのことばの流れの上で1本化してとらえます。バラバラに口先からどこへ飛んでいくかわからないようにガナリたててはいけません。方向はひとつ、その声で一つひとつのことばをたたみかけるようにしっかりとつないでいくのです。

フレーズをこま切れ、ブツ切れにすると、フレージングと、ことばの命脈を奪います。このとき、息をしっかりと流さないと、その脈や流れも出てこないのです。

 もうひとつ気をつけたいのは、ことば、あるいはフレーズの最初と最後(発生と終止)のところでは、必ず同じポジションで声をとるということです。とくに、喉で息を切って終わると、次のフレーズで声が出にくくなり、裏返ったり、フレージングがうまくいかない原因になります。これはリピート、つまり部分的な疲労防止策です。

 

〇フレージングを正しくいうトレーニング

 

ことばのメリハリから、フレージングを考えてみましょう。

「いつもの会場で開催いたします。」

1.「いつものか、いじょうで」

2.「いつもの、かいじょうで」

3.「いつも、のかいじょうで」

これも、「いつものか、いじょうで」と聞こえないように、「いつも の 会場 で」としっかりと伝えましょう。

どうですか?大分感じが違ってくるでしょう。

 

これも、フレージングの使い方による差です。日本人は細かくとらえ、全体的につかんで大きく表現することが苦手です。小さな単位ごとにいってしまうのです。

それに対し、大きな感情のうねりのなかに、細やかな繊細な感情も入っているようにするのです。フレーズのとり方が大きいと、声が楽に出ます。気持ちよく聞こえるのです。声の動きを、波やうねり、ボールのバウンドのようなものとイメージしてください。

(つまり、最初にひとつ大きなフレーズをつくると、あとは、その勢いでいくつかの小さなフレーズが、動きのなかに出てくるということです。小刻みにブレスすると、この大きなうねりがなかなか出てこなくて、のりにくくなりがちです。)

日本語は、抑揚なく間伸びして、ことばのなかにリズムが出にくいことばです。これをメリハリの効くことばに変えていくのです。べらんめえ調のマネから練習するのもよいでしょう。

 

〇口上を聞いてみよう

 

相手を退屈させないように、日本語をうまく立ち上げている例としては、落語の語り口や、漫談、大道芸人、たたき売りの口上、もの売り(金魚や、トウフや、青竹や、石焼芋)、舞台役者のせりふなどがあります。

このあたりに、日本語をことばとして生き生きとさせる大きなヒントがあります。

子供が、おもちゃを買って欲しくて、「おかあ!さん!」といういい方は、生きていることばだから、人に働きかけるのです。

 

〇大きく踏み込んで流れをつくる

 

フレージングの話に戻ると、最初に大きなバウンドをするほど、はねて進める力が長く残っているということです。早めに大きく踏み込み、あとで自由度を長くとるのがフレージングの基本です。この自然な力を充分に生かしてもっていくと楽に心地よく聞こえます。

小さな波ばかりでは全体的に動きも出にくいし、毎回そういう波をつくらなくてはいけないので、大変な上に単調な一本調子になります。外国人があんなに楽しく速く話せるのは、このフレーズでの力の生かし方といえるのです。

 

〇声は身体という楽器から出る

 

“お腹から声を出せ”とは、よくいわれますね。ところが、それがどういうことなのかは、よくわからないのではないでしょうか。まずは、声を出すための楽器としての自分の身体のしくみを理解し、発声のためのフォームをつくっていきましょう。

 

〇身体が声を出す楽器ということは

 

私たちの声は、喉にある声帯から生じ、身体に共鳴させて出てくるものです。つまり、身体が声を出す楽器ともいえるのです。

 となると、身体そのものが成長する、あるいは鍛えられるにつれ、楽器も変わっていくわけです。つまり、他の楽器のように、完成されたものとして扱えないのです。声については、生まれ授かった自分自身の身体という楽器をよく知り、どううまく使いこなすかを学んでいく必要があるのです。

 

〇姿勢-身体と呼吸と声を一つにするために

 

畳文化で猫背の姿勢で生活していた日本人は、喉を圧迫し、こもった喉声やしゃがれ声にしてきました。そういう声を小さいときから、たくさん聞いているために、私たちの声もそういう声になりやすいのです。

しかし、本当に声の機能を充分に発揮しやすくしたところの身体の理に従った声が求められます。まず、本当に自然な声にするために必要な姿勢を習得していきましょう。

何事においても、その人の姿勢を見ただけで、おおよそのキャリアがわかるといわれます。何をするにも、姿勢というのは基本です。

ヴォイストレーニングの基本姿勢に関しては、声のために最も習得しやすい形を優先します。その形ができて自由に変化することを目指します。

自然で無理がなく、楽であることがよい姿勢の条件です。しかし、最初はどうしてもどこかに力が入りがちになります。姿勢は、練習の始めと途中と終わりと3回チェックしてください。

 

〇姿勢を正しくする

 

次の順に整えてみてください。

1.胸の位置をややあげて、背筋をピンと伸ばす(やや鳩胸のように)

2.首をまっすぐしたまま、あごをひく(頭のてっぺんからコインを落とすとまっすぐ身体のなかを通るように)

3.重心は低めに(やや足を開くとよい)

4.顔はまっすぐに前を向く

 

4つの姿勢

 

1.基本姿勢(立っている)

壁に、かかと・お尻・背中・後頭部をくっつけてください。そのときに、両足のかかとを、左右にこぶし二握りほど開きます。そこから、このこぶしを、背中と壁の間に入れてみてください。少し胸が上がると思います。その状態であごをひき、肩があがってないのを確認してください。

 

<チェック>

・ひざを軽く曲げて、かかとを床から離すと、つま先で立つことになります。

・ひざの屈伸を数回くり返し、身体の重心が下の方にきていることを確認しましょう。

・息を吐いて、胸や肩が動くようでしたら、胸の位置をハト胸のように少し高く持ち上げてみましょう。

・どうしても、練習中に肩や胸が動くときは、重いものを両手にぶら下げたり、寝転んで、身体を固定してみるとよいでしょう。

 

2.基本姿勢(腰かける)

イス(硬いもの)に腰かけ、背骨をまっすぐに伸ばしましょう。両手は軽くひざがしらのやや上にそえます。前かがみにならないようにしましょう。両足の幅は基本姿勢1と同じくらいに開きます。この形のまま立つと、基本姿勢1になります。

 

3.基本姿勢(前屈する)

腹式呼吸のわかりにくい人は、最初の姿勢を前屈にするとよいでしょう。腹式呼吸で声を出すとき、立ち姿勢でやると、胸の上だけに息を入れてしまう人が多く、また、前方のお腹ばかりが動いて、うまくいかないことが多いからです。

腰かけたり、前屈してやった方が始めは、声がつかみやすいでしょう。身体と息、息と声を結びつけるトレーニングとしては、身体全体をリラックスさせるためにも、この基本姿勢3を用います。

このときは、背中の線と頭の後ろの線が一直線になるように注意してください。

 

4.基本姿勢(寝ころぶ)

仰向けに寝ころがると、身体の下半分を固定できるので、呼吸を自覚しやすいです。

どんな姿勢でも、背中と後頭部の線は一直線になるように気をつけましょう。

 

〇姿勢のチェックリスト

 

□自然でゆったりした楽な姿勢

□顔はいく分、上向き

□目はしっかり見開く

□視線はまっすぐより少し上に

□下あごは少しひく(うなじを伸ばす)

□肩、首に力を入れない

□首は少し後方にひき、まっすぐおとす、立てる

□胸をはり、広げたまま、やや高く保つ

□腕はだらっと下げる

□お腹は引っ込める

 

〇発声のしくみを知る 

 

まずは楽器としての、私たちの身体の構造を、発声、呼吸のメカニズムを中心に、四つに分けて大まかに捉えてみましょう。

 

1.呼吸(呼気)がエネルギー源

人間の身体という楽器をオーボエにたとえてみると、声帯は、そのリードにあたり、声の元を生じさせています。リードを振るわせ音を生じさせるのが、肺から出る息(呼気)です。

声帯そのものは動かせないので、呼気をコントロールすることによって、周辺の筋肉も含めた声のコントロールを習得していくわけです。そこで、確実に声をコントロールするのに、腹式呼吸のトレーニングが必要となります。息は肺を取り囲む筋肉の働きによって横隔膜を経てコントロールされています。

 

2.声帯で息を声にする

肺から吐き出された空気は、直径2cmぐらいの気管を通って上昇してきます。咽頭は、食道、気道を分けるところにあります。気道の調節は、唾を飲むと上下に動く喉頭でやります。この喉頭に、V字の尖った方を前にする象牙色の唇のようなものがあります。これが声帯です。

 声帯は、気管の中央まで張り出し、左右のがくっつき、呼気がせき止められます。一秒に何百回~何千回もの開閉で、声を生じます。その響きのない鈍い音を、喉頭原音といいます。

 

3.声の元の音を響かせる

声は、声帯の振動から空気のうねりで生じます。これは口笛のように、口唇そのものの音でなく、空気音なのです。いわば声帯という、二枚の扉の狭い隙間で生じる音のことです。

その声を大きくしたり、音色をつくりだすのは、楽器の管(空洞)にあたります。(声は喉を中心に口や鼻までの声道で、共鳴します。身体の共鳴腔は、口腔、咽頭、鼻腔などです。口内の響きを舌で変えて母音をつくります。)

 

4.唇・舌・歯などで、声をことばにする

響いている声を、舌、歯、唇、歯茎などで、妨げて音をつくります。それが子音です。(これを構音・調音ともいいます。)

「声と宇宙」

この世でのわずかな滞在において

歌や踊りは、その時空を超えるものとして

継承されてきたのでしょう。

 

見たり聞いたりするのもよいが

自ら身体を動かしたり声を発する

そのことで一体感が生まれる。

それが祭りであり、飲み会でもあったのであろうが。

 

スポーツでも作業でもよい、

それが一芸となり、

孤を破ったとき、

意識は宇宙につながる。

 

死もまた、そういうものと思える。

なら、生きているうちに

どれだけ死ねるかということである。

 

またや、ゆく年くる年、

終戦後80年、昭和で100年、

そんなことを考えます。

 

 

PS.

昨年は、小池マリコさん♯という

ファン、同志、仲間いえば失礼であろうが、

親密な知人を失いました。

 

さよならだけが人生だ、が、

それが日々、日常に降りてくる年齢となりました。

感受性も変わってきたように思います。

 

 

#「さよならだけが人生だ」

井伏鱒二が、中国唐代の詩人・于武陵の漢詩『勧酒』の「花発多風雨 人生足別離」(花が風雨に散るように人生は別れの繰り返しだ)を意訳「はなにあらしのたとへもあるぞ さよならだけが人生だ」

 

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訃報

 

今春、かつて銀巴里にも出演されていた小池マリコさんが亡くなりました。

コロナ禍明けに、招いていただいた仙台でのレクチャーが最後になるとは思いもしませんでした。

今年は、いつもいただいていた、だだちゃが届かず、その後、会報誌が戻って、亡くなったことを知った次第です。

あまりにも表に出ていないので、ここに公にして、ご冥福をお祈りします。

(ここで学ばれていたことは、どの本人プロフィールでも公表されています)

 

 

♯小池マリコ (Mariko Koike)

伝説の銀巴里で長年にわたりシャンソン歌手として、仙台から毎月通って出演していた。

宇井あきら氏、有馬泉氏に歌唱を、福島英氏にヴォイストレーニングを師事。

昭和51年に仙台市内にシャンソニエ「プティシャンソン・エル」をオープン。

「とにかく素晴らしい、良い声の歌い手の方でした」と、その実力は非常に高く評価されている。

 

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音信

 

 ご本の増刷のこと、やっぱりねと嬉しく思ったり、お送り下さっている会報に恐縮したりして過ごしておりました。このだだちゃ豆を、仕事の合間にでも召し上がって下さいと山形(カルチャーセンターでの出張先)から送ったことがありました。そのことに、先生は葉書をくださいました。

先生は心のある方だと、いつまでも思い続けています。

山形にいて、そのことを思い出し、行動であらわさねば思わないも同じと、このような行動をしてしまいました。

レクチャーを実現してくださった喜びは、本当に嬉しくて、これに応えるにはきちんと出来る人たちを作ることだと思っております、微力ながら。

ずーっと昔に、福島先生のお話をもっともっと吸収したいと欲した私の勘は間違っていないと今更ながら自分の勘をほめてやったり。

どうぞ、お身体をご大切に、私たちのためにも。

またお目にかかれればいいのにな、と思ったりしております。

皆さんに、よろしくお伝えください。7/3

 

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 私ごとですが、10年間共にしてきた、左足甲のしびれから解放されたくて、さる103日に、総腓骨神経徐圧手術を受けました。ようやく、不快感とさよなら出来て、やってもやらずとも後悔ということの、良い方が残りました。全身麻酔の施術なので、麻酔科の先生が気を利かせたのか、細い管を使うということでした。

術後、先生が私の声帯のことを言いました。立派な声帯だと。

そして去り際にもう一度、今まで見たことないくらい立派な声帯だと。

そのことはこれまで実感出来ていませんでしたので、どういうこと?と思いました。

福島先生の事を知り、ずーっと先生のお考えだけを頼りに自分なりに解釈して今日まで持ち続けて行動して参りました。そのことが、今の私の声帯に表れてるとしたら、先生にご報告せねばとずっと思っておりました。

本当に先生との出会いがうれしくて仕方ありません。

先生を尊敬し続けてきたものが、今このようになっておりますと報告まで。10/15

 

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返信(抜粋)

 

 声帯は、きちんと使われていると、若さを保つことができます。歌はせりふよりも、よい保全効果があらわれます。それも浅く癖をつけた歌い方ではよくないので、声帯の健全さは、自分自身の身体に合った使い方の習得によるものです。

 歌い手や役者というお仕事を続けられるのは、すべてを兼ねられていることです。

 

 私も今は、第一に身体づくり、第二に声の保持を心がけています。愚鈍なりに継続することは守っています。少し手間暇がかかり、面倒なことを人生の友とすることを新たに挑んでは、続けることをお勧めしています。

 私も真意の伝わらないことの連続で、日本の歌の世界との距離が縮まらないのですが、だからこそ、本質的なことに専念できると開き直って続けています。時代や国を超えたところまで、自分が抜け切れば、もっと伝わると思っています。

 

 私は、若いときから本を出してきたお陰で、いろんな分野の第一人者から教えを受ける機会、実践する機会に恵まれてきました。著書も会報も、一人では続かなかったでしょう。

  これから出会う人、今、接したり、通っている人、なによりもここを出てから、活動している人、そして、活動をやめてしまった人を念頭に、いつも述べています。 

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