「声のトレーニングの極意」 No.415
私たちの人生は、絶えず流れる時間のなかにあります。
誰もが、生まれ、成長し、老い、やがて消えていくという有限の運命を背負っています。
だからこそ、人は「永遠」に憧れます。
しかし、永遠とは、本当に果てしない時間の彼方にあるものなのでしょうか。
永遠は限られた時間の中の「至高の一瞬」に、すでに現れているとも思えます。
ニーチェは「永劫回帰」で、同じ瞬間を永遠に繰り返すとしたら、それを肯定できるかと問いました。その瞬間を心から受け入れられるなら、それは永遠と一つになる体験だといえます。
東洋思想では、禅の「一瞬即永遠」、つまり、「いま、ここ」を真剣に生きることで永遠が開かれると説きます。茶道の「一期一会」の心は、その象徴です。
音楽や文学の世界でも、一瞬の表現が時間を超えて人の心に残ります。
音は消えても、感動は永遠に響くのです。
私たちの日常にも、好きな人の笑顔や自然の美しさに触れるひとときなど、永遠を感じる瞬間があります。そのような体験では、時間の流れを忘れるでしょう。
ただ「いま」に生きている自分を感じるものです。
永遠は遠い未来にあるものではなく、私たちの「いま、この瞬間」に宿っています。
それを限られた時間を全身で味わうことができたとき、至高の一瞬は永遠へと変わります。
永遠を探し求めるのではなく、目の前の瞬間を大切に生きることです。
それこそが、永遠を生きるということなのです。
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