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2026年5月

閑話休題 Vol.110「邦楽」(1)

()(がく)は「くれのうたまい」と呼ばれ呉の文化圏の歌舞、さかのぼればヒンドゥー文化圏やギリシャ文化圏の仮面劇へ。

唱導(説法)では、4つのポイント、声・弁舌・才能・博識

声明の基盤、天台声明と真言声明   

天台声明:円仁が唐から持ち帰った「魚山流声明」 京の大原あたりを魚山に見立てて確立 融通念仏宗の祖で声明の大成者、良忍(1072年~1132年) 声明で浄土を表現し融通念仏を確立 融通念仏との結縁を勧める念仏勧進や念仏聖「大念仏」

真言声明:空海がもたらし、弟の真(しん)()が整えた 「理()(しゅ)(きょう)」読誦 寛(かん)(ちょう)を中興の祖 智山流(ちざんりゅう)・豊山流(ぶざんりゅう)・南山(なんざん)進流(しんりゅう) 

四箇大寺(東大寺・興福寺・延暦寺・園城寺)

(けい)() 「先泣(せんきゅう)の誉(ほまれ)」 澄(ちょう)(けん)1126年~1203年)と聖(せい)(かく)1167年~1235年)親子が安居院流(あぐいりゅう)の完成者 説法は唱導の一要素

苦楽に支配されるなという中道「苦楽道中」 極端から離れたものを「正しい」

祝福芸の萬歳は漫才のルーツ 

三井寺派は定円、安居院流は藤原通(みち)(のり)(信西入道)の子、澄憲から始まる

俗楽・雑芸である「散楽」(物まねやお笑い、舞踏、曲芸・軽業、奇術・幻術、傀儡の五種類に分類)が渡来して「猿楽」へ  

鎌倉時代に物まねや滑稽 「猿楽」には呪師、侏儒舞、傀儡師、唐術、品玉、独相撲、琵琶法師、千秋萬歳などのバリエーション 農業の宗教儀礼「田楽」は、ささら・太鼓・笛・鉦など

唯識 円仁の引声(いんせい)念仏 「天狗おどし」 良忍の融通念仏 歓喜踊躍(かんぎゆやく)念仏(踊る念仏) 踊り念仏の一遍は融通念仏(歌う念仏)からのスタート 普化宗 虚無僧(梵論寺)の集団 

大念仏狂言 十万上人と呼ばれた道御(どうぎょ)(円覚上人1223年~1311年)

放免(下級役人)から「婆娑羅」、さらには「歌舞伎役者(傾き者)」へ ヴァジュラ(金剛)を語源とする婆娑羅 僧形の芸能者 宗教性と服装 

関西の浪曲は歌祭文系性格が強く、関東の浪曲は説教節系性格が強い 関東は調子が高い

三遊亭圓朝 宮部(みやべ)(えん)(じょう) 橘家圓(たちばなやえん)(きょう) 

梅原猛がスーパー歌舞伎「オグリ」創作

桃中(とうちゅう)(けん)(くも)()衛門(もん)「赤穂浪士」で一世を風靡した浪曲師

江州音頭「歌詞の中の“デーレンデーレン”」

 

音楽は、明治に使われたmusicの訳で、洋楽のことです。

日本のは、芸能の音の面を楽と呼んできました。特徴は、つながる音の流れ、うなり声、金切り声に聞こえる、というのは、向こうの耳での捉え方です。

西洋から入ってきたのが「音楽」。日本在来の種目は「音曲」。大正末期以降、「洋楽」に対する語として「和楽」「邦楽」と呼称。第二次世界大戦後は「日本音楽」「伝統音楽」 

明治の後半から、はやり歌は「歌謡」 

昭和の初期、はやり歌をレコードメーカーは「流行歌」 1933年以降は「歌謡曲」 

「演歌」「ニューミュージック」「Jポップ」

絶対的な高さではなく、歌い手の感覚によっているのです。

music―音楽学(西周<にしあまね>明治3年)

音楽は、明治2年に薩摩辞書に使用。

「明治の音」

ノイズの文化 アジアと日本 

サワリのついた三味線(←沖縄の三線←中国の三弦)べ~んと打音、だみ声 

 

1930年「春の海」(宮城道雄)

日本人にとって音楽は楽で、芸能、文化に付随し、独立していないもの

ドイツの影響が大きい、プロシア軍と精神性

イタリアのオペラより器楽と評論(シューマン)

大バッハとベートーベン

 

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.35

MCMaster of Ceremony

 

 MCとは、音楽業界ではステージでの曲の合間のおしゃべりを指します。もともとはMaster of Ceremonyというように、司会者という意味でした。バンドでは、ヴォーカリストがこの大役を担います。MCは、だいたい次のようなときに使います。

 

・ステージの構成上、少しおしゃべりが欲しいとき

・前の曲、もしくは次の曲の説明が必要なとき

・ステージの雰囲気や流れを変えたいとき

・間をもたせなくてはいけないとき(バンドのメンバーの配置替えや交替、ギターやベースのチューニングなど)

・ひと区切り必要なとき(ステージの最初やエンディング、幕の前後など)

・観客との親密度を深めるため、直接、何かを話したいとき

・ステージにプラス・アルファや、おもしろさを加えたいとき

・次回のステージやレコードの宣伝をするとき

・歌い切って、一息つくとき

・ギターの弦が切れたなど、不意のトラブルで間をもたせるとき

 

 へたにMCを多用するとせっかくのステージの流れを壊したり、歌を聞きに来ている観客の気持ちをそぐことになりかねません。バンドのイメージさえ、壊してしまうこともあります。たとえば、次のようなものはMCにふさわしくありません。

 

・まとまりなく、だらだらとした話

・聞いている人の一部しかわからない話

・ステージの流れとかけ離れた話

・他のバンドの悪口

・出演者、観客に関する情報のミス、地名のミス

・差別用語、人を傷つけることば、他のアーティストへの中傷

 

 ともすればうっかり口にしてしまうようなこともたくさん含まれていますから気をつけましょう。

 MCは、自分たちのバンドのステージのスタイルを考えて、少しずつ取り入れていきます。観客の反応を見ながら慣れていくしかないでしょう。このMCにも歌と同じくらいにヴォーカリストの個性が出ますし、ステージの演出にも効果的ですから、やはり勉強するべきだと思います。

 

〇マイクの使い方について

 

 マイクは口もとから少し離して持ちましょう。その方がマイクやステージの機器の違いによって、大きく音声が変わってしまう危険がないからです。

 モニターは、自分の歌っている声がよく聞こえるようにチェックしておくことです。バンドの音で聞こえにくければ、アンプの位置などを変えたりします。マイクもできれば歌う前に、どういうふうに聞こえるのかをチェックしておくとよいでしょう。他の人が歌っているときに客席で聞くと、ある程度はわかります。

 しかし、自分の感覚やノリを最大限に発揮するために、日頃からマイクを使わず身体全体の感覚で声や音楽を捉える習慣をつけておきましょう。マイクはあくまで小道具にすぎません。使いようによっては、上達するのを妨げる場合もあります。マイク・テクニックに頼るのは、基本的な発声のフォームができてからにしてください。

 また、意味なくコードを持ったり、マイクを必要以上の力で持たないようにしてください。その余分の力が自然な声の流れを妨げます。マイクは小指を中心に単に支えるだけで持つようにして握らない方がよいでしょう。

 マイクには高音がよく入るので、大きな声や高音のときは少し離して斜めに構え、逆に低音や語りの場合は口の正面に近づけてください。

 スタンド・マイクは、何曲か続けて歌うときで、振つけなどで両手が自由にならなくては困るときを除いては、あえて使う必要はないでしょう。慣れないと、スタンド・マイクは使いにくいものです。

 

〇力がないうちにバンドに入ると伸びない

 

 ライブやバンドでの経験というのは、ヴォーカリストにとっては、練習というより自分の力をアウトプットするところだと考えてください。他のパートは、バンドの練習のなかでもテクニックがそれなりに上達してきます。ある程度までは、量をこなしていけばよいのですから、ヴォーカリスト以外の人には、バンドの活動はプラスになるでしょう。

 ただ初心者のヴォーカリストの場合は、バンドは刺激と自己満足面でのプラスだけで、そこで実力をつけるというのは、あまり考えない方がよいと思えます。なぜなら、本当のプロ志向のバンドのレベルでの練習というのは、お互いが集まったときにわざわざ各パートの練習でできることはやりません。ヴォーカリストに関していうと、ピアニストだけでも、ピアニストなしの無伴奏でも、歌で自分の世界を表現できて、はじめてバンドに参加する意味があるのです。そういうヴォーカリストならば、セッションのようにレベルの高いバンドと練習して、そこで多くのインスピレーションを得て、新しい音楽や歌い方、感性が生まれることもあります。

 しかし、多くのヴォーカリストはバンドにのっかり、マイクにくいついているだけです。練習で余計に悪い癖をつけたり、カラオケふうに自己陶酔しています。これでは本当の力は伸びていきません。

 自分だけはそうではないと誰もが思っていますが、ほとんどの人がこういう結果になっているのです。

 もし、自分がどのくらい通じるのかを知りたいのなら、マイクとバンドの伴奏をはずし、歌をテープに吹き込んでみればよいのです。日本以外の国では、アイドル歌手といわれているヴォーカリストでも、最低限、ヴォーカリストと名のつく人は、これで認めさせるくらいのことはできます。日本では、声がバンドから抜けて聞こえるように歌える人さえ、ほとんどいないのです。言葉がすべて明瞭にわかる人はもっと少ないようです。アカペラでしっかりと歌えるようになってから、伴奏をつけることです。

 

〇悩み多き孤独なヴォーカリスト

 

 もう1つの理由は、バンドのメンバーの理解のなさです。他のパートの人は、ヴォーカリストの声の成長については知りません。楽器と同じように、やるほどすぐに伸びると思っています。すぐさま、外国人ヴォーカリストのような高音の強い音をオリジナルのキーで求めます。楽器では簡単でも、喉にとってはよくありません。

 オリジナルとして通用する声も出ないうちから口先だけのコピーで、到底、今の身体では出ないはずの世界の第一線級のヴォーカリストの真似をするのですから、喉を痛めるか、発声に悪いくせをつけてしまうだけです。彼らと同じように歌えるくらいなら、もう充分な歌が歌えているはずです。できないなら、何が違うのかを突き詰めていかなければいけないはずです。

 レコードに合わせて歌ってください。感性、表現、雰囲気、パワー……と考えていくまえに、声の問題に行き着くはずです。ならば、声を鍛えることです。

 楽器が身体であるヴォーカリストは他のパートと違って、まず、身体を声の出る楽器として使えるようにすることに専念する期間をとることが必要です。

 早くから始めたり、毎日何時間もバンドで練習している自称ヴォーカリストが何万人いても恐れるに足らないことがわかるでしょう。何歳から始めてもきちんとしたトレーニングで追い越せることも理解できるでしょう。バンドをやるのは構いません。しかし、それ以上にトレーニングが必要なことを知ってください。

 どうせやるからには、世界に目を開いてください。神業的なくせでか細い高音域を出している日本人の歌い方を下手に真似るよりは、スタンダードに通用する世界の一流の歌い手から学んだ方がよほどわかりやすいのです。喉から下は人種の差はあまりないようです。個性的なヴォーカリストのくせを真似して、その2番手以下では意味はありません。それよりは、オーソドックスなところにある正しい発声をもとに、自分の歌い方のスタイルを追求していくべきです。誰もが認める声で歌えるようになれば通用します。声そのものがよいとか悪いとかいうよりも、何かを表現する自由に使える声が大切なのです。

 

〇練習後の反省が力をつける

 

 バンドの練習が終わったあとには、必ずミーティングをして、録音した練習曲を全員で聞いて反省することです。そして、それぞれのメンバーの次回の課題と課題曲を決めます。この課題を見つけるために集まって練習するのです。

 それぞれが思っていることを本音でぶつけ合ってください。うまくいかなくても相手をけなすのではなく、必ずどのようにしていけばよいのかを考えて、前向きに対処していくことです。11つの問題を1回ごとの練習できちんと解決しようと努力していくことです。

 問いを作れないバンドは伸びません。厳しく批評をし合うのは、自分たちの音楽や技術についてです。腹の立つようなことを言われても、それは自分の人格を否定されているのではありません。謙虚に耳を傾けることです。

 こういうことを繰り返しているうちに、言葉を使わず、お互いの思っていることがわかるようになります。こういう厳しい相互の批評と自己反省の繰り返しによって、バンドのめざす音が1つになり、高い完成度を得るようになっていくのです。

 

〇売り込みもヴォーカリストの実力のうち

 

 日本ではCDは、簡単につくれるようになりました。自主製作でも製作できるわけです。ですから、自分たちでテープを出すこと自体は、練習の集大成であっても、メモリアルとしての意味しかなくなってきたともいえます。ただ、製作する期日を決めることは、バンドにモチベーションをかける意味においてはプラスになるでしょう。

 一旦発売したテープやCDをヒットさせるためのプロデュースや、バンドやアーティストを育てる環境については、日本はまだまだ不充分だと思われます。今のところ頼りになるのは、自分の実力と才能(可能性)とコネクションだけなのです。

 しかし、どこのレコード会社もプロダクションもよいヴォーカリストやバンドを捜しています。どんな地方であっても定評になれば、担当者が飛んでいくほどです。ですから、どのディレクターにどのようなテープを送ればよいのかを知ったり、よいスタッフとプロモーターを見つけることも必要です。

 そのためには、どのくらい自分と自分の音楽をよく知っていて、それを語れるかということが大切です。その上でそれを伸ばしてくれる環境を作っていくことです。どんな状況も、自分の方へ引き込んで利用する力と頭のよさも必要です。人を見抜く眼も大切です。すぐに売ってくれるプロダクションではなく、自分たちのやっている音楽を理解してくれて長い眼で育ててくれるスタッフを大切に、いろいろな人脈を広げていくことを心がけてください。

 

〇スランプ脱出法

 

 声は、体調や気分と深く結びついてきます。うまく声が出ないことを気に病んだり、そこで無理して力を入れて使うことによって、ずるずるとうまくいかなくなることがあります。こういう悪循環はあらかじめ何度もくるのがあたりまえだと思っていればよいのです。

 そういうときは「本番でこうなるよりはよかった。よい課題が与えられた」と考えればよいのです。自分の力が未だに安定しないことに何度もショックを味わうことです。そして、自分の歌は声が少々どうなっても大丈夫なのだという強い自信を持てるようになってください。

 どの世界でも、何年も経たない人にくるのは、スランプではなくて単なる思い込みです。こうなるのもあたりまえだぐらいに考えていればよいのです。

 うまくいかないときが何ヵ月続いていようが、マイペースでトレーニングを続けることです。ストップしなくてはいけないのは、ポリープなどの喉の病、もしくは本当に身体を害したときだけです。

 ステージなどで歌った後に「喉の調子が今1つで」などと言わないことです。同じステージに高熱を押し切って出ていて、それを少しも悟られず歌い切っている人がいると考えてごらんなさい。自分への言い訳は決してしないことです。

 プロとしての実力があっても、それを充分に発揮できるコンディションづくりができなかった、もしくは最悪のコンディションでも実力を発揮できなかったというのは、すでにプロとして負けているわけです。臨終(死)になったときがスランプだと考えればスランプはきません。五体満足で歌える幸せを忘れないでください。

「最強トレーニング」 Vol.15

〇さまざまな音をつくる子音(2)サ行(ザ行)

 

□サ行の発音

EX.「すみません」 「失礼しました」 「お先に失礼します」

 

〇サ行音……サ[sa] シ[∫i] ス[su] セ[se] ソ[so

 

 舌の先を上歯茎の裏に近づけると、舌先の下の部分は、下歯の裏に密着し、上歯茎の裏と舌先の上面との間にわずかなすき間ができます。そこに息を吐くと、狭いところを押し出す息で摩擦音が生じます。これが[s]の音です。

サスセソは、[s]の音に母音アウエオが結びついたものです。

 

<シとサスセソの違い>

 「刺す」「死す」の発音を比較して、呼気の通るすき間の位置を比べてみてください。

 サは舌先が上歯茎の裏に近づくのに対して、シは舌の上面の前のほうが、上顎の前方の硬口蓋に近づき、舌先の下がサと違い、下歯の裏から離れた状態で発されます。このような音を[∫i]であらわします。「静かに、シー! 」というとき、あるいは「シャシシュシェショ」の「シ」です。先生を「シェンシェイ」となまるのは、この混同です。「スエスエ」、「スエンスエン」、「センセイ」とくり返して直しましょう。

(近頃、このシの代わりにスィ[si]にする人が多くなっています。シ[∫i]を無声音で伸ばすと、シーといつまでも摩擦音ですが、[si]を伸ばすと、母音のイになります。

sの音が[∫]の発音にならないように

 サスセソの音は、舌の位置に注意してください。[s]は上歯茎の裏に近づいて発音しますが、[∫]は舌先が上歯先の裏に近づきます。

「さあ~」と舌が出すぎたり、息の通り道が狭くならないと、切れの悪い音になります。逆に、息の音が強すぎるなら、上唇を歯に少しかぶせましょう。

 

〇ザ行音……ザ[dza] ジ[dӡi] ズ[dzu] ゼ[dze] ゾ[dzo

 

 サと違い、舌先がまず上歯茎の裏に接するのがわかります。

 その接触でふさいだ気道を押し破って、呼気が出るときに破裂音がつくられます。

 続いて、そのときできたすき間から呼気が流れるときに生じる摩擦音が加わって、[dz]の音をつくります。このように破裂音と摩擦音の組み合わさった音を破擦音といいます。

 ザ行音の中で、ジはシの場合と同じく口蓋化した音で、[z]の音をつくる位置より舌が硬口蓋に近いところで発音されます。(地域によっては、ジ[dӡi]とヂ[di]、ズ[dzu]とヅ[du]を区別して使っているところもありますが、共通語では区別しません)

 

  • 〈サ行のトレーニング〉

(サ)さっさと財布を探さなきゃ/さすがの寒さに目覚めた

(シ)椎茸と塩を仕入れる/死の獅子舞ショー

(ス)すべてを捨てて救う/炭火を入れるのが済む

(セ)聖母は戦争を責める/背伸びする制服の生徒

(ソ)外の掃除が騒々しい/空にそびえる壮大な阿蘇

 

〇さまざまな音をつくる子音(2) タ行(ダ行)/ナ行

 

□タ行の発音

EX.「どうぞこちらに」 「どうかお待ちください」 「ちょうだいいたします」 「お疲れさまでした」

 

〇タ行音・・・・・・タ[ta] チ[ti] ツ[tsu] テ[te] ト[to

 

「タ」「テ」「ト」は、上の歯か歯茎あたりで、舌先を離して生ずる破裂音[t]に、「ア」「エ」「オ」がついたものです。

 「チ」は、口蓋化した音で、舌が上歯茎より、もう少し奥の硬口蓋に接して、破裂音[t]を発し、そのすき間で生ずる摩擦音[∫]が、組み合わさった破擦音です。

 「ツ」は[t]が[s]に動く破擦音です。「アツイ」をゆっくりと発音してみるとわかります(トゥ[tu]ではない)。

 

<チ[ti]、ティ[ti]、ツィ[tsi]の違い>

 [ti]をささやくように無声音で「チー」と伸ばして発音してみると、最初の「チ」の音のあとに「シ」のような摩擦音が「シー」と続きます。「アチー!」の「チ」。「チーチーパッパ」の「チ」の音です。「チ」は「ティ」ではありません。

 「ティ」[ti]、「ツィ」[tsi]を伸ばすと、「イー」となります。この二つは、外来語(ティーポット、ツイードなど)以外では使いません。つまり、「チ」は、「チャ」「チ」「チュ」「チェ」「チョ」、「ツ」は「ツァ」「ツィ」「ツ」「ツェ」「ツォ」の音です。

 

〇ダ行音……ダ[da] ヂ[dӡi] ヅ[dzu] デ[de] ド[do

 

 「ダ」「デ」「ド」は、タ行が無声音、ダ行音は有声の破裂音です。

 「ヂ」と「ヅ」は、音の上で「ジ」と「ズ」と同じです。「ヂャ」「ヂュ」「ヂョ」も、「ジャ」「ジュ」「ジョ」と同じで、限られたとき以外は使いません。

 このようにザ行音と共通のところが多いため、「ダ」「デ」「ド」と、「ザ」「ゼ」「ゾ」を混同しないよう、注意しましょう。「さざ波」が「サダナミ」、「撫でる」が「ナゼル」、「喉」が「ノゾ」になる人は、ここで直しましょう。「地図」が「ツゥヅゥ」や「ツィヅィ」となる人も、要注意です。

 

<タがいいにくい>

「竹たてかけた」がいえない人は、舌の移動の練習をしましょう。

・タケタテタケタケ

(この竹垣に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから、竹立てかけたのだ)

 

  • 〈タ行のトレーニング〉

(タ)楽しい旅をしたい/正しい畳の叩き方

(チ)塵はきちんと持ち帰れ/父が痴漢に注意した

(ツ)つまらない付き合いを続ける/つるつるのツノ

(テ)丁寧に手を洗う/転校生の手書きの手紙

(ト)灯台のともしびが届く/遠い都市の時計が止まるとき

 

□ナ行の発音

EX.「おさしつかえなければ」 「お会いになりますか」

 

〇ナ行音……ナ[na] ニ[ɲi] ヌ[nu] ネ[ne] ノ[no

 

 舌の接するところは、タ行と同じです。タ行音は破裂音、ナ行音は、舌を歯茎につけたまま、息を鼻へ抜く鼻音になります。

 「ナ」は、そのまま、声を出さないと、ただ鼻から息が静かにもれます。そこで、鼻に手をあて声を出して「ナ」を発音すると、声が鼻に響いて振動するのがわかるでしょう。

・ナヌネノとニの発音の違い

 ニは、ナヌネノと調音点が違い口蓋化します。

 

  • 〈ナ行のトレーニング〉

(ナ)なし崩しに成し遂げることはない/海原の七不思議

(ニ)二人三脚で荷造りして逃げた/兄さんを二度と憎まない

(ヌ)ぬるぬるぬめる/塗り薬が塗れぬよ

(ネ)来年を念じながら眠る/寝たら願いが叶うね

(ノ)ノックののち覗く/納期でノイローゼの農民

 

〇さまざまな音をつくる子音(3) ハ行(バ行、パ行)

 

□ハ行の発音

EX.「はじめまして」 「大変お世話になりました」

 

〇ハ行音……ハ[ha] ヒ[çi] フ[ɸu] ヘ[he] ホ[ho

 

[h]の音は、「ハー」と息を吹くときの喉音です。喉の奥を、「ア」「エ」「オ」より狭くして出す摩擦音です。「ハ」「ヘ」「ホ」は、この[h]音と母音「ア」「エ」「オ」でつくられます。[h]は喉頭からの深い声、喉音です。

「ヒ」[çi]は「シ」の発音に近い口構えで、「シ」より舌の中ほどをもっと盛り上げて発する弱い摩擦音です。「ヒ」は舌と口蓋でつくられる音です。

 

<「ヒ」と「シ」を区別する>

 「ヒ」と「シ」は調音点が近いため混同しやすく、日比谷と渋谷、質店などは、よく聞き間違えます(地域によって「ヒ」と「シ」を逆に発音するところもあります)。

1.ヒシシヒヒシヒシ

2.シヒヒシシヒシヒ

「フ」[ɸu]は、「フーフー」と、吹くときに出る両唇を用いた摩擦音です(英語などの[f]のように、下唇を上歯で噛んだ状態で出しません)。

 日本語の「フ」と[f]の違い、「ハ」「ヘ」「ホ」の[h]音と[ɸ]音の違いも確かめましょう。

 「ヒ」は、「ヒャ」「ヒ」「ヒュ」「ヒェ」「ヒョ」、「フ」は「ファ」「フィ」「フ」「フェ」「フォ」の仲間です。

 

<「ヒ」と「フィ」を区別する>

 この「ヒ」を両唇をまるめ「フィ」のように発音しないように。

1.ヒフィフィヒフィヒフィヒ

2.フィヒヒフィヒフィヒフィ

 

〇バ行音……バ[ba] ビ[bi] ブ[bu] ベ[be] ボ[bo

 

 [b]は、唇を閉じ軟口蓋をあげて鼻へ抜かず、唇で出す弱い破裂音です。語頭では強く感じても、語中での[b]は唇がわずかに接するかどうかくらいで、ほとんど摩擦音に近くなります。

 「ウー」と発音しながら、だんだん両唇を近づけてみると出る音が、「ブ」の音です。

 

〇パ行音……パ[pa] ピ[pi] プ[pu] ペ[pe] ポ[po

 

 [p]は無声破裂音です。外来語や擬声語(パタパタ、ピカピカなど)や、促音(ん)と使います。

 

〈「プ」と「フ」を区別する〉

 共に唇で発音します。「プ」は唇がいったん完全に閉じ、瞬時に息が流れ出て、「フ」は少し開いたまま息を流し続けます。

〈「パ」と「バ」を区別する〉

 「バ」は最初から音になります。「パ」は最初は音にならず、「ア」のときに、音になります。

 喉仏に指を当てると、「バ」は、すぐ振動し、「パ」は遅れて振動します。つまり、「バ」は声を伴う子音(有声子音)で「パ」は声を伴わない子音(無声子音)です。

1.バパパババパバパ

2.パババパパバパバ

 

  • 〈ハ行のトレーニング〉

(ハ)羽根をはがされた羽アリ/華やかではかない花火

(ヒ)昼間はひとりで暇だ/光る瞳にひかれる

(フ)工夫した豆腐のフライ/不意に触れ合う二人の皮膚

(ヘ)辟易するヘリウムの変化量/ヘラヘラ笑う蛇

(ホ)本当のほたるが欲しい/星の本を翻訳した

「ルーツ」 No.417

昔は、よく、ここに詩を載せていたものです。

みなさんを鼓舞するものでした。

それが今は、こういうものになりつつあります。

 

 

「花、ルーツ、そして愛」

 

あなたの名を呼ぶたびに

胸の奥でひとつ花が開く

雨の朝にふと香る

土の気配のように

あなたは私のルーツに

いつしれず触れてしまった

 

世界がまだ幼く

言葉より沈黙のほうが

真実を語っていた頃

あなたの笑い声だけが

私を外界へと導いた

 

#

花は咲いて 風に揺れて

名前もなく 空へ還る

愛はきっと 形を持たず

私のなかで 根を伸ばす

離れていても 失われず

あなたは今も ここにいる

 

2

季節が幾度巡っても

同じ空は二度とない

それでも足元に残る

あなたの足跡を辿って

私は今日も歩いている

 

過去はもう触れられず

未来さえも曖昧で

それでも確かな温度が

この胸に残っている

あなたがいたその場所は

今も静かに息をしている

 

#

花は咲いて 風に揺れて

傷を抱いて 散ってゆく

愛はきっと 終わりじゃなく

巡りながら 続いてく

離れていても 失われず

あなたは今も ここにいる

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