5.プロフェッショナルの伝言

「情報と表現」 No.404

現実は、いつも変化していて、

私たち自身、二度と同じ状態にならないのです。

 

この情報化社会では、「表現」が優先されます。

変化していく人間の方が、実在感を持てなくなってくるのです。

 

人間も世界も生きているものです。

知識万能主義で考えると、自分自身が矮小化していきます。

つまり、自分が生きてきた年月、経験が、自分の糧になっていかないのです。

 

知識は外にあります。

情報として扱うことができていても、

本当の意味では、自分自身で考えてはいないのです。

 

それでは、どうすればよいのか。

表現を知識や情報と切り離すことです。

自分の内にあるものをとり出すところでの

血肉のついた身体に基づく表現をするのです。

つまり、言語でなく、肉声で問うということです。

「問うて考えておく」 No.403

人は、生きている限り、いろんな問題に取り囲まれています。

それは、意識すれば問いとしてあがってくるのです。

自分自身で考えなければ、

誰も考えてくれないことがたくさんあります。

考えても自分しかできないことが大半です。

 

いつでも誰でも、考えること、考えておくことは、必要です。

できれば、しっかりと深く考えることを望みたいものです。

時間をかけて追究していくと、

あらゆることにつながっていきます。

あとは実行するのみです。

「表現のエネルギー」No.402

表現することは、

メンタルの問題を

解決する手段にもなります。

 

それを支える基盤とは、

あなた自身の生き方、

生きてきたことのパワーの総合力です。

自分のエネルギーを活かしましょう。

 

自分のものと考えられなければ、

生命の力、太古から受け継がれてきた生命力です。

 

周囲の理解が得られないなら、

それだけがんばることです。

 

理解が得られるようにするでなく、

自分のすべきことに対して

精一杯、精進しましょう。

 

特に若い人に、いっておきたいことは、

ネットなども含め、

他の人の考えで、あまり左右されないでほしい

ということです。

 

でも、人のいうことには、

大いに耳を傾けるように心がけましょう。

「身体の力」 No.401

どこでも、メンタルの問題が大きくなっているようです。

本当の弱者の救済は必要ですが、

弱者というのをどこで区切るか、難しいですね。

 

弱いというのは、思い込むと、きりがなくなるものです。

それでよくなるならよいのですが、執着すると、

それに取り憑かれかねません。

それもその人であり、そういう人生なのですが、

新しく切り拓く力を妨げるように思えるのです。

ますます弱くなってしまうのなら、よくないでしょう。

 

私はできる限りの自助努力でコントロールしようという考えです。

頼らざるをえないときは、頼るのは必要ですが、

できるだけ、何かに身を預けたくないと思ってきました。

 

心の衰弱は、身体で切るのがよいので、運動がおすすめです。

でも、メンタルがそれを超えて、

身体に影響してくると、厄介になります。

そういうときは、充分な休養をとり、リセットを心掛けましょう。

「学ぶということ」 No.400

「いろんな本を読んでから、レッスンに出た方がよいのでしょうか。」

と聞かれることがあります。

 

レッスンを最大限、有効に生かすためには、

まずは自分を白紙にする方がよいです。

もちろん、頭も。

 

これまでのことは、忘れましょう。

 

学んだことが邪魔をするということは、往々にしてあります。

しかし、学んでいなければ、いろいろと邪推することになります。

 

一度、全てを受け入れつつ、徐々に多くに学び、

その都度ではなく、ストックして、

いずれ取捨選択されていくのを待つことです。

どちらにしろ、切り替える能力をつけて、対応していきましょう。

 

 

自分の頭、

自分の身体、

他人や専門家の頭、

自分の直感、

専門家の大局観、

しぜんの道理へと

学びを深めていくのです。

「結果とプロセス」 No.399

私はこれまでレクチャー、レッスンなどの現場で、

多くの人を見てきました。

ほぼ毎日、短い人で2年、長い人で10数年以上、

当時から続けている人もいますが、

その当初のものをブログ#で公開し始めました。

 

見てきたというのは、人数の多さもありますが、

それよりも期間の長さといろんな意味での質が大切です。

 

ただ自分が学んだことをレッスンをしていても、

慣れてくるだけで、大した成果は期待できません。

時代とともに風化しかねません。

いや、成果そのものが客観的につかめないと思うのです。

 

それで、自分に替わる、いや、自分よりすぐれたトレーナーや外部の専門家らが、どのように声に対しているのかを見てきました。演出家から医者まで、あらゆる職のほぼあらゆる分野の人と、です。

 

多種多様の書籍出版もしたので、国内外問わず、多くの他の分野の専門家やプロフェッショナルに早くから出会えました。

それは、なによりも幸運なことでした。

そして、そういう関係者をここのトレーナーと

トレーニングできているのは、なによりの財産です。

 

自分より目上の人も他のプロフェッショナルも、

トレーナーも含め、どのぐらい見てきたか、

そうした現場の体験こそが、生きた知恵となるわけです。

 

何よりもそうした人がその後、どうなっているのか、

それこそが、長年の継承の成果でしょう。

 

 

今となっては、難しいことを抜きに、

関わっている人が元気なのは、

よいことだと思います。

 

ここにいる人は、

これまでここに来てくれた人の運を

受け継いでいると思います。

 

トレーナーやレッスンの質もですが、

運のよい人がここに来て、

そしてまた、ここにきて運がよくなっていくのです。

 

どうであれ、結果が全てといえ、

その結果もまた、次へのプロセスなのです。

 

ぜひ、過去からのここの財産である記録も

あなたのトレーニングの糧にしてください。

 

 

 

#はてなブログ「一流になるための真のヴォイストレーニング」  

https://vccarchive.hateblo.jp/ 

(福島英とブレスヴォイストレーニング研究所のレッスンアンソロジー、 

1990年代前半の研究所会報のアーカイブでスタート)

判断のより処  No.398

たとえば、歌うのに

「それが何のためか」

と問う必要があるでしょうか。

歌うこと自体に価値があると考えると、

この問いは、不要と思います。

歌い手同士のなかでも、好きで歌っているのですから、

そういう問いは、なされないでしょう。

人から聞かれたら、 「ほっといてくれ」といえばいいだけのことです。

 

ただ、他にやりたいこと、やらなくてならないことが出

てきたとき、

やめなくてはいけない事情が生じたとき、

続けるのかどうか迷ったとき、

もうやめたいと思ったとき、

自ずと問うのではないでしょうか。

 

でも、今、行なっていることが、一所懸命なら、

必ず、いつかどこかで何かに役立つと思えばいい、

そして、一所懸命に取り組んだなら、役立たないはずがない、

そう確信しています。

 

ですから、

あなたが、なんであれ、

一所懸命、取り組めることをやればよいと思います。

何でもやっていくと、考えるまでもなく、

残るものは残り、戻るものは戻ることでしょう。

 

だからこそ、そうなれない人には、問うてきたのです。

ここにいらした人にも、

「ここに来たときには、 一所懸命、

レッスンに専念しましょう」

と。

 

#最近、ここの創成期の会報を読み返してまとめています。

ここにいた人のレッスンなどを残し伝えるのも、

ここの役割であり、私の使命かと思っているからです。

https://vccarchive.hateblo.jp/

「器の大きい人」 No.397

ここでは、声の器づくりを言い続けてきました。

 

それでは、器の大きい人とは、どういう人でしょうか。

 

自分を犠牲にしても、他人を救おうとして生きているような人、

仕事でも、その他の活動でもよいのですが、

自分を殺す、無私になって生きている人が、

そのような人ではないかと思います。

 

サミュエル・ジョンソンというイギリスの文学者は、

次のように言っています。

 

「人を測る本当の尺度は、自分に何の利益ももたらさない人をその人がどう扱うかということである。」

「天敵、ライバル、問題となる相手をもつ」 No.396

緊張関係のある相手というのは、大切です。

刺激にもなるし、本能的に何かしら、意欲が湧いてくるものです。

 

まわりが心地よい人ばかりでは、人間、ぼけるだけではないでしょうか。

何の発想も出てこないし、生きる力さえ失われるかもしれません。

 

どこかでぶつかるとか、うまくいかなくなるとか、人生に、障害は、適度に必要です。

考えるトレーニングにもなり、それを乗り越えていくことで、処世術も身に付いていきます。

 

生きることに対する緊張感を失ってしまっては、ダメです。

気にくわない人、自分とうまくいかない人、批判する人をあえて、まわりにおき、自ら、接することに努めましょう。

「異なる意見を聞く」 No.395

自分と同じような考えは、自分がわかっているのですから、違うこと、反対のことに気づくために、

いろんな場に出たり、いろんな人の意見を聞くのです。

 

対立したり、反論されたりすること自体を

楽しみましょう。

 

そのためには、同調圧力を廃し、

相手が言いたいことを

本音でいえるような場づくりが大切です。

 

年を重ねることに気をつけたいことです。

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